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2010年02月04日

球磨川、荒瀬ダムの撤去

 熊本県の球磨川にある県営荒瀬ダムが撤去されることなったとの発表がありました。撤去工事開始は2012年度。

 球磨川といえば、最上川・富士川と並ぶ日本三大急流の一つとしてその名が知られていますが、最近では支流の川辺川の方が有名になってしまったかもしれません。民主党政権発足直後、群馬の八ッ場ダムと共に川辺川ダムの問題が連日新聞テレビを賑わせていましたから。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/川辺川ダム
 川辺川ダムの当初の完成目標は1976年(昭和51年)だったようで、反対運動の歴史はなんと40年以上にもなるそうです。

 それはさておき、 とりあえず、ウィキペディアの球磨川と荒瀬ダムの項。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/球磨川
  http://ja.wikipedia.org/wiki/荒瀬ダム
 球磨川河口付近の干潟は日本の重要湿地500に選ばれていて、重要野鳥生息地(IBA)に指定されているそうです。また、荒瀬ダムの魚道には観察施設があるそうです。
 で、この球磨川本流にある荒瀬ダムが紆余曲折を経て撤去されることになった、と。
 ニュース記事は、たとえば以下など。
 http://news.goo.ne.jp/article/nishinippon/politics/20100203_evn_003-nnp.html
 http://www.asahi.com/politics/update/0203/SEB201002030004.html

 撤去の理由のひとつに3月末で迎える水利権の失効が関係していますが、失効後はダム全体が河川に作られた「違法な工作物」ということになるため、法的意味合いにおいてきっちりとっぱらう必要が出てきます。
 が、一口にとっぱらうといっても、記事に「日本国内においてダム撤去は前例がないため、撤去工法、環境対策など様々な面から注目されている」とあるように、日本が全くの未体験ゾーンへの突入するわけですから、いったいどんなことになるのか非常に興味深いところです。
 ちょっと調べてみたところ、平成18年2月付けの「荒瀬ダム撤去方針に関する地元説明会」
の資料がネット上にありました。
http://www.pref.kumamoto.jp/uploaded/attachment/1166.pdf
 前知事時代に一旦決まりかけた撤去話のときのものですが、今回の決定でも、撤去方針や工法に大きな変更はないだろうと思います。
 5年がかり。シルトの全量除去、土砂処理、希少生物の移植、環境のモニタリング。
 いやぁ、たいへんですね。
 1955年のダム完成以来半世紀にわたって形成された止水域の生態系を破壊することになりますので、路頭に迷ったり行き倒れたりする生き物も多く出るだろうと思います。
 派生的な影響もずいぶん出てくるでしょう。ダム下流や河口周辺の海へのインパクトも大きいでしょうし、撤去工事終了後もなんだかんだとその余波が長期にわたって続くと想像されます。
 希少種についてはダム撤去前に生息適地に移植するということですが、これ、考えてみればなかなか面白い話ですね。環境破壊の象徴のようなダムというものがあったからこそ、そこに生息できていた希少種ですので、そいつらとしてはダムの撤去こそ生息環境を破壊する行為だべ、ってことになりますので。
 多くのダムが寿命を迎えつつある時代となったと共にダム不要論も強く、今後は荒瀬ダムのように撤去されるものも増えてくるでしょう。
 数十年以上もの年月を経て原状復帰する工事が行われる場合、環境破壊と逆であるはずの原状回復という行為が希少種の生き延びる環境を奪うことになります。となりますと、希少種を保護すべしと主張する自然保護団体の悩む場面が多くなるかもしれません。
 対する役所側はどうかといえば、工事予定域に希少種が確認されたならば「とりあえず移植するのが安上がりなんちゃうん」みたいなやり方で保護したことにする例がこれまでも多かったわけですので、特に頭を悩ませるようなことはないのかもしれません。そもそも「違法な工作物」を撤去するという、正義の公共事業をやるだけのわけですし。

 とまあ、いろんな意味で今後に注目です。
 ふるさとの自然を子供や孫たちに伝えたいと考える人々がどう思っているのかも、ちょっと気になります。特に、ものごころついた時にはすでにダムがあり、ダムのある川で遊んで育ったという人たちの。



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2009年09月30日

トキの試験放鳥について8(第2次放鳥周辺記事)

「トキの試験放鳥について7」に引き続いて、今回は第1次放鳥の総括記事と第2次放鳥に関する記事をピックアップ。

 ※このブログのトキ関連エントリ一覧は末尾にあります。


●両陛下、トキ関係者と懇談=自然放鳥1年−新潟
2009年9月25日(金)17:03(時事通信社)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-090925X966.html
 国体開会式出席などのため新潟県を訪れている天皇、皇后両陛下は25日、県庁内で、国の特別天然記念物トキの保護に取り組む関係者と懇談された。天皇陛下は「(29日に行われる2回目の)放鳥がうまくいくといいですね」と期待を示した。


だそうです。としか。
そういや、第1次放鳥のときにいたのは誰でしたっけね。

●放鳥1年...「トキ」めかず カップル兆候なくヤキモキ
2009年9月25日(金)15:35(産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/e20090925065.html
 昨年放鳥されたトキ10羽のうち、生存が確認されているのはこれまで7羽。雄4羽は佐渡島にとどまっているのに対し、雌3羽は本州側に飛来し、宮城県や長野県で目撃されるなど広範囲で行動している。
 今年6月ごろから、雄は2羽ずつで行動し餌を探すようになった。同省では「群れ形成の時期なので、その過程では...」と期待する。しかし、雌雄のつがいはできておらず繁殖への道のりはまだ見えない。


「繁殖を促したり、群れを形成させたりするにはどうすればいいのか」が課題とのことですが、つまりは、放っておいてもやるときゃやることをやらないのは何故なのかってことですね。たった10羽でたったワンシーズンの観察じゃわかるわけがない、ってのが普通の場合の答えだと思いますが、そういってもどうしようもないのが希少種の難しさってことなのでしょう。
 群れ形成に関しては、いつでも群れたがるようなタイプの鳥ではないように思うんですが、本家中国での研究例なんかはないもんでしょうかね。

●【トキ再び大空へ 放鳥から1年】(上)繁殖せず 試行錯誤
2009年9月25日(金)08:05(産經新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20090925006.html

 昨年9月25日の第1次放鳥で、27年ぶりに佐渡の空を飛んだ10羽のうち雌はすべて海を渡り本州へ。佐渡には4羽の雄だけが残り、待望していた繁殖には至らなかった。
 その原因の一つとされるのが放鳥方法だ。木箱から1羽ずつを約2千人が見守る中、放したことで分散し、群れの形成を阻害したとみられている。


 この見解からいくと、早い話、放鳥セレモニーをやりたがった人たちが諸悪の根源だったってことですね。うんうん。

 この反省に立ち、第2次では仮設ケージで約1カ月飼育して環境に慣らしたうえ、本番ではケージ入り口を、毎日給餌する金子獣医師ともう1人が静かに開け、トキが飛び立つまで待つ「ソフトリリース」方式で行うことになった。

第1次放鳥の木箱に詰め込まれるという恐怖体験は相当なものだったでしょうが、群れ形成に関してはリリース方法との関連よりも、そのときのトキに群れたがる動機があるかないかって方が関係しそうに思います。が、まあ、とりあえずセレモニーをやりたがる役人や議員さん、そして多過ぎるマスコミや見物人は出来るだけ遠ざけておいた方がなにかといいでしょうね。トキがケージの外の世界を嫌いになりそうな気がする。

ってことで、記事より第1次放鳥についてのまとめ。

・佐渡から約40〜50キロ離れた本州に飛んで行ってしまったのは想定外。
・佐渡に生き残っていた日本のトキ5羽は昭和56年に捕獲されるまで山奥にひっそり生息していたことから、放鳥後に本州に渡るとは誰も予想していなかった。
・1日に飛行距離は160キロ以上に及ぶ。
・生存が確認されている8羽のうち4羽が新潟市、新潟県燕市、胎内(たいない)市、富山県黒部市など本州各地で目撃された。
・本州に渡り、いったん佐渡に戻ったがまた本州に渡った個体もいる。
→日本海側では冬型気圧配置が強まると北西の季節風が吹き、その気流に乗った。
・本州に渡るのは雌ばかり。雄は1羽も渡っていない。
・繁殖前のペアを形成する時期に、相性の合う雄に出合えなかった雌が、雄を求めて探しにいった(新潟大学の永田尚志・准教授)
・雄につけている衛星利用測位システム(GPS)の発信器が邪魔をした(金子獣医師)
→雄には立派な冠毛がある。ということはトキはシルエットを気にする鳥ということだ。発信器にはピンとアンテナが立っているため雌が敬遠した可能性もある(金子獣医師)。

 オスにほれぼれするような超カッコイイ発信器をつけるという手もあるでしょうが、トキのメスがどんなのをカッコイイと思うかわからないのだめですね。ハイ。

●【トキ再び大空へ 放鳥から1年】(中)「天女の舞」に魅了され
2009年9月26日(土)08:05(産経新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20090926014.html
 「トキ、どこにおる。きちんとエサを食べとるやろうか。ひもじい思いをしとらんやろうか。毎日トキを思わない日はありません」
 29日に行われるトキの第2次放鳥が近づくにつれ、新潟・佐渡でトキ保護に一生をささげてきた佐藤春雄さん(90)はそんな思いが募ってくる。


この佐藤さん、トキに向けた思いや地道な糞分析の話など、なかなかいい感じです。
また、国策である人工繁殖に対し「農薬を使うなどの環境悪化で餌が減ってしまったから繁殖しなくなった。餌をあげ、人が山に入らなければ自然に増える」と主張する行為は、当時としてはかなりとんがったものとして見られたのではないでしょうか。

この記事にはこんな話も。

 (トキは)美しい羽だけではなくその肉も産後の肥立ちにいいとされ珍重された。「キジが30銭したのにトキはその4倍の1円20銭だった。金になったと猟師が言っておった」。佐藤さんは振り返る。明治時代の狩猟解禁で乱獲が進み、大正14年、新潟県の博物誌に「乱獲のためにその跡を絶てり」と記された

ふーむ。
トキが減った原因によく農薬の話が出て来ますが、少なくとも明治から大正にかけての減少には関係ないようですね。農薬の普及は昭和20年代ころからですから。
しっかし、トキってどんな味なんだろう。

んでもって昨年9月の第1次放鳥後。

 佐藤さんは27年ぶりに小瓶を準備した。ふんは自分が採取するのではなく、放鳥したトキの観察をしているかつての教え子に頼んだ。観察には3度だけ同行した。
「行ったら見たくなる。もう、わしの出しゃばる幕ではない」


カッコイイですねい。
自民党の政治家に聞かせてやりたい。

私は、トキの増殖そのことのみに関しては傍観者的視点しか持ち合わせていませんが、佐藤さんが大空を舞うトキを見る姿は見てみたいと思います。素敵だろうなあ。


●<クローズアップ2009>トキの繁殖、今年こそは あす2回目の放鳥
2009年9月28日(月)18:00(毎日新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20090928ddm003040204000c.html

 昨年放鳥された10羽のうち、所在が確認されているのは7羽。トキの生態には「動かない」「臆病(おくびょう)」など「神話」があった。70年代に絶滅寸前だったトキは高齢で動きが鈍く、人間に追いつめられて山の深い棚田に逃げたためだ。ところが、27年ぶりに放たれたトキは雄こそ島内にとどまったが、雌は本州に渡り、1日に160キロ移動したこともあった。人目に付く場所にもいる。「トキ神話は崩れた」と山岸哲・山階鳥類研究所長は話す。


 かつて害鳥とされた時期があった経緯なんかを考えると、この神話が成立する過程は異様に早かったといえるでしょうね。「絶滅」という言葉の魔力によるものかもしれない。
 今後、トキが増え過ぎて人々にうとまれるようなときが来たら完全に忘れ去られるような神話でしょうが、そうなって初めて、生態系とかバランスとかに目がむけられるようになるのかもしれません。

 ◇「住民票」コピーで保護募金、飛来地にも集客効果
5月16日に雌が飛来して4カ月が経過する富山県黒部市もカメラを持つ人でにぎわっている。市はトキに「トキメキ」と愛称を付け、特別住民票を発行。コピーを1000枚作って、トキ保護の募金を呼びかけると10万円が集まった。


いやあ、コンビニで1000枚コピーしたら1万円。集まった金が10万円。きびしおますなあ。

 ◇野生生物絶滅の恐れ3155種 保護は81種だけ
 環境省によると、国内で絶滅の恐れのある野生生物は3155種いる。このうち、国が、緊急性などを重視して、「種の保存法」に基づき「国内希少野生動植物種」に指定して保護しているのは81種にとどまる。(中略)吉田正人・江戸川大教授(保全生態学)は「絶滅にひんする前から手を打つことが重要だ」と指摘する。


 たぶん、もっといろいろしゃべってたんでしょうね。いったいどいつが今後絶滅にひんするかを見極めるなんてそう簡単なことじゃないですから。
 今いる生き物を保護するために出来ることはとりあえずその系の保全ってことになるでしょうが、それは多くの場合で人の営みの強制的なコントロールと同義になるわけで。たぶん。
 過剰な開発行為の阻止ってのはともかく、高齢化した過疎地の村の農林水産業と一体化した自然を保全するにはどうしたらいい?と考えると、不老長寿のクスリくらいしか思い浮かばん。

●トキ放鳥20羽、今度は自由な飛び立ち方式
2009年9月28日(月)03:09(読売新聞)
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20090928-567-OYT1T00001.html
 新潟県佐渡島で29日、2回目のトキの放鳥が行われる。


とのことで、放される20羽の構成は以下のとおり。

飛行範囲が広いと予想される雌は、雄より多い12羽に。順応性を考慮し、1歳の幼鳥を11羽そろえた。群れの形成も期待して、既に繁殖に成功した3歳のペアと、その子供も入れてある。

マーキングや発信器については以下。

 鳥は仲間の姿形の変化に敏感とされるため、個体識別用の羽のペイントを半分程度の大きさに抑える。前回、主に雄に背負わせた追跡用発信器は、雌を中心に付けて行動をつかむ。



ということで、いよいよ放鳥。

●トキ20羽、2度目の放鳥 今回は自然にソフトに
2009年9月29日13時18分(asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0929/TKY200909290129.html?ref=goo

 新潟県・佐渡島で29日、国の特別天然記念物トキ20羽の放鳥が試みられた。午前10時半、20羽が約1カ月間飼育されたケージの出入り口のネットが開かれると、約15分後に雄1羽が、午後1時すぎ2羽目が飛び立った。


だそうです。

●トキ、2度目の放鳥=雌多め、繁殖目指す−新潟・佐渡
2009年9月29日(火)12:03(時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-090929X492.html
 式典では、泉田裕彦知事が「トキ放鳥で環境保護への意識が高まった。シンボルとして自然繁殖してほしい」とあいさつ。


あああ。
やっぱ、式典ははずせなかったんですね。


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トキ関連エントリ

 トキの試験放鳥について1
 トキの試験放鳥について2(放鳥関連記事まとめ)
 トキの試験放鳥について3(放鳥周辺記事まとめ)
                  (2008年12月中旬まで)
 トキの試験放鳥について4(関係者たちの見解・コメント)
 トキの試験放鳥について5(他の生物関連)
 トキの試験放鳥について6(調査関連、周辺事情)
 トキの試験放鳥について7(その他)
                  (2009年4月上旬まで)




2009年09月04日

死んだシカ

死んだシカ

前回のサルに引き続き、こんどはシカです。
里山の比較的大きな道を走っていたところ、道路脇の林の奥になにやら妙な物体が。
運転しながらでもこういうものに気がついてしまうのが私の因果な習性なのかもしれませんが薮の奥の薄暗いところに死んだシカが横たわっていたのでした。
その様子がどんなであったかについて、興味がある方は「続きを読む」からどうぞ。けっして勧めはしませんが。


続きを読む
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2009年09月02日

子ザルと親ザル?

親ザル

 ※掲示板に関連写真あり(ひとによっては見たくない画像と思われるため閲覧注意)

 先日、とある深い山の中の道を車で登っていたところ、行く手にニホンザルの姿が見えました。
 道の真ん中にいた彼or彼女の方が先に私たちに気付いたようで、すぐに道路脇の林の中へと姿を消しました。付近に他のサルの姿も気配もなかったのでハナレザルかなと思いながら車を進めたのですが、そのサルがいたあたりまでいくと道路の真ん中近くになにやら奇妙なものがありました。
 車を降りて確かめにいけば、それは死んだ子ザルでした。
 脚を広げて仰向けに横たわっていました。ちいさなおちんちんがついていました。たぶん、この春産まれの子ザルだろうと思います。
 口元あたりに無惨な傷があり、左の肩の下にも大きく切り裂かれた跡がありました。
 新しい死体でしたが、たくさんのハエがあたりを飛び回っていて、近づくのがちょっとためらわれるような状況でした。ですので、とりあえず記録写真を撮って道ばたによけておこうと思いました。そのままでは車が通れなかったからです。
 ちかくに転がっていた木の棒をつかってこのあわれな子を道の端によせようとしたとき、その小さな胸からお腹にかけての部分がふうっともちあがりました。まだ息があったのでした。
 とはいえ、既にたくさんのハエがあつまり肩の傷にはスズメバチまできています。ハエは卵を産みつけ、スズメバチはむき出しになった肉を噛みとって肉団子を作っているのでしょう。彼はまもなく最後の時を向かえるはずです。
 私たちは、彼の傷口の様子を見ながらいったい誰にどんなふうにやられたのだろうかとあれこれ想像をめぐらせ、また、まもなく死ぬであろう彼の始末といいますかその後の処理といいますか、そんなことについて考えていたわけですが、ふと、道路脇の林から何者かの気配を感じました。そのとき撮った写真が上の写真です。一匹の若い大人のサルが木の陰に身を隠すようにしてこちらを伺っていたのでした。
 私の視線に気付くとそのサルは二度三度と居場所をかえましたが、それでもずっとこっちを見続けています。お尻を見せてくれないので私にはオスメスの判定が出来ませんでしたが、おそらくは、このひん死の子ザルの母親なのでしょう。通常、不用意に0〜1歳程度の子ザルに近づいたりしたならば、母ザルの激しい威嚇や攻撃を受けてもおかしくないわけですが、やはり、母ザルにとっても事情が違うと思えているのでしょうか、枝もゆすらず、声もあげず、ただただじっと遠巻きにこちらの様子を伺っているだけでした。
 どうも状況からいって、どこかでだれかに攻撃されて死にかけた子ザルを相当長い時間連れ回した末に道路を横切って引きずっていたところのようでした。でなければ、なんらかの理由で重傷を負ってその道の上で動けなくなった子ザルに、大量のハエが集まってくるほどの長い時間よりそい続けていたのでしょう。どちらにしても、二匹で道の真ん中にいたところに私たちの車が近づいてきたため、そのオトナのサルはあわてて林に逃げ込んだといったふうでした。
 別の可能性としては、その大人のサルは母親でもなんでもなく、単に、おもちゃもしくは食い物(?)としてその死にかけた子ザルに執着していた、というのもアリかもしれませんが、それならば邪魔に入った私たちに向かって派手に騒ぎそうな気がします。なので、そのオトナのサルは子ザルの母親か、そうでなければ姉か叔母といった近しい関係にあるサルとみるのがよさそうに思います。
 2時間ほどおいて私たちが再びその場所へもどってきたとき、その子ザルは、私が道ばたによせた位置ではなく、もとの場所に近い道路の真ん中よりに横たわっていました。
 周囲を見回してみましたが、もうだれの姿も見当たりませんでした。

 ※ひん死の子ザルの写真はこちら
『うんこと死体の掲示板(人間以外)』
http://xbbs.knacks.biz/biobioenv1#a345
この手の画像が苦手な方はクリックしないで下さい。




posted by biobio at 22:45 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 動物調査の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月09日

あたりまえと言えばそれまでですが「北京五輪から1年、再び緑藻に覆われるセーリング会場」



昨年の夏、北京五輪セーリングコースに大量発生した緑藻ですが、ことしもすごいことになってるようですね。
 昨年の様子
 http://www.afpbb.com/article/beijing2008/beijing2008-news/2411269/3081725
 http://www.afpbb.com/article/beijing2008/beijing2008-news/2413835/3101333

NP負荷の源が無くなったわけではないでしょうから、当然のことだとは思いますが。
底泥からのPの溶出なんてそう簡単に減らせるわけでなし、昨年の藻類除去作業が物質循環の面から今年の発生に拍車をかけたなんてなんてことも十分ありそうです。
五輪が終わったってことでこのまま放っておくのか、それともこれを機に浄化に乗り出すのか。どうする?中国。
水界の生産性はある程度見た目の汚れが進むのといっしょに高まったりしますが、動物プランクトンや魚類に利用されずらいタイプの藻類(糸状藻類)が大増殖してる状況は、利用する側にとって好ましい状態ではないといっていいでしょうね。
加えて、きっと一般大衆の生活に密接に関わっている場所でしょうから、大増殖している藻類種が毒素を産生する種に入れ替わったりしないよう願っています。

posted by biobio at 21:40 | 東京 🌁 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境/地域区分別の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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