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2010年12月27日

GPSの話:番外 「DIY GPS」とXGPS251のアップグレード、その他

 以前から何度か書いているiPhone用GPSアプリ、「DIY GPS」がver 1.3.0にバージョンアップしました。また、iPodTouchにGPS機能を付け加える Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch 「XGPS251」がiPod touch 4Gに対応しました。
 今回は主にこの二つの話題について。

 まずは、「DIY GPS」。
Default.png
 iPhone用GPSアプリ「DIY GPS」についてはGPSの話23で触れてきましたが、製作者様のサイトで「■ DIY GPSを紹介してくれたブログのまとめ」として当ブログの記事もリストアップしていただきました。
 かなりかなり使えるソフトなので、iPhoneをお持ちの方、ぜひ使ってみて下さい。携帯圏外でも宝の持ち腐れにならない貴重なソフトの一つです。開発者の想定外だったiPodTouchで人柱的に試した身としては、特に応援したいぞ、ってのもありまして。
 で、このDIY GPSがver 1.3.0にアップグレードし、GPSロガー機能が付きました。GPSの話3では、負け惜しみ的に、ロガー機能なんて無くてもいいよん、なんて感じで書きましたが、そりゃあれば使いますよ。もちろん。
 画面としてはこんな感じで、KML形式やGPX形式でエクスポートできます。
IMG_1036.jpg
(画像はDIY GPSホームページの機能説明より)
 ログ(トラック)は複数個保存できますし、それぞれのログについて、画面への再表示だけでなく記録の再開再停止も自在に出来るようになっています。これは、かなり使えますね。
 ログをとったり表示したりするiPhoneアプリは他にもいろいろあるわけですが、携帯圏外/オフライン環境下で、自分の使いたい地図と共にログを扱えるってのは、DIY GPSのものすごい強みです。クラクラしたっていいくらいだと思います。2万5千分の1地形図でも植生図でも1万分の1詳細図でも500分の一の図面でもなんでもOK、海図、湖底図、海底図や、過去の地図未来の地図も、必要とあれば、ボスからの秘密指令の暗号入り極秘地図から敵のスパイの目をくらますウソの地図まで、使用目的によって地図データを自在に取り替えられるハンディタイプのGPS機が、実は携帯電話ダッシュ、音楽プレーヤーダッシュのiPhoneやiPodTouchに450円のアプリケーションを入れたものってわけなんですから。

 他にも、いろいろと配慮の行き届いたバージョンアップになっていまして、特に僕としては「ツールバーを隠す」機能がとってもうれしい。誤って画面にタッチしてしまっても、これなら大丈夫です。


 さて、次は、iPodTouchをGPS機器に変身させるアタッチメントであり、予備バッテリーにもなるDual GPS Navigation XGPS251の件。
fbf7fdc2.jpg
 これまでXGPS251は初代〜3世代目までの対応でしたが、アップデートにより第4世代対応となりました。
 Firmware のバージョンを 10/10とし、樹脂スペーサーを取り付けることで4GのiPodTouch対応となったのですが、Firmwareが 10/10のユニットでない機械の場合、ユーザー側でアップデートを行うのは無理とのこと。
 なお、これはiPod touch 4G対応のためのみに必要なアップグレードで、iPod touch初代、2G, 3Gで使用するならば不要です。

 くわしくは以下。

「VC社長日記」
Dual GPS Navigation XGPS251が、iPod touch 4Gに対応
http://vintagecomp.livedoor.biz/archives/51584643.html
Dual GPS XGPS251のアップグレードを受け付けます
http://vintagecomp.livedoor.biz/archives/51591533.html
Dual GPS XGPS251 iPod touch 4G対応品が入荷
http://vintagecomp.livedoor.biz/archives/51588392.html

Vintage Computerによるアップグレード手続き代行の詳細はこちら。

Vintage Computer
Dual GPS Navigation XGPS 251 Firmware アップグレード+樹脂スペーサー
http://www.vintagecomp.com/shop/shopexd.asp

 私個人のことを言うならば、GPS機としては第2世代iPodTouchを使い続けるつもりなので、アップデートする予定はナシ。


 ところで、iPodTouchに XGPS251をとりつけてハンディGPSとして使う場合、サイズが大きくなるので普通に売っているiPodTouch用ケースは使えません。フィールド調査等、野外で使うときは、落としたり濡れたりといった危険があるため、これはなんとかしないと。
 ってことでいろいろ探してみましたが、とりあえずってことならば、100円ショップのストラップ付きカードケースで大丈夫でした。ジップロックのようにぴっちり閉じられるタイプで、大きさははがきサイズのもの。ちゃんと指先のタッチ操作も受け付けてくれます。これもiPhoneやiPodTouchの利点かな。キーボタンで操作するタイプじゃこう簡単にはいかないですから。
 無いよりマシということで、決しておすすめではないです。カッコ悪いってだけでなく、そもそもが100円の品物なので、耐久性の面で心配ですから。


 関連する話題をもうひとつ。
 DIY GPSは目的地の地図を準備しておく必要があり、Google等のマップは携帯圏外/オフラインでは使えない、ってことで、やはり日本全国の地図をいつでもどこでも見られるようにしたいという望みを叶えてくれるのはドラえもんかい、と思っていたところiPhone/iPodTouch向け地図・ナビゲーションアプリ「MapFan for iPhone」というのがAppStoreで買えるのでダウンロード。
「iPodTouchでは、ナビゲーション機能には対応していません」とありますが、GPSを使った機能についてはiPodTouch+XGPS251で普通に使えました(ただし、iPodTouchにはコンパス機能が無いので、方位情報を必要とするヘディングアップ表示は移動し続けている状況下でないとうまく働きません)。
 ルート検索、ルート案内により、カーナビとしても使えるようになっていますが(購入後最低1年間)、このあたりの詳しいことについては以下をどうぞ。
http://www.mapfan.com/mobile/iphone/
 実際のところ、画面が小さいこともあってカーナビとしての使用はなかなかきついです。また、ほんまもんのカーナビと違い、GPSの精度が悪くなったり、まるきり衛星を失ったりしたときにそれを補完するしくみがないわけですから、「トンネルを抜けると、そこは太平洋のど真ん中だった」なんてことも地図上では普通にあり得ます。なので、そのへんは予め想定した使い方をした方がいいだろうと思います。あと、慣れや好みの問題かもしれませんが、地図を詳細表示から広域表示にしていったときに、細い道や主要道路以外の道が省略されていくタイミングがちょっと早いかな、と。また、基本はドライブマップですので、田舎へいけば薄茶色の中に道路がいっぽん表示されるだけ、となってしまうことも多く、DIY GPSをカーナビ代わりにして地形図を表示させたときと違って、山や谷の形を確かめながら運転するなんてことはできません。

 それはそれとして、圏外/オフラインで地図が見られるってのはやはり便利ですし、地図データを自分で持っているわけですから動作も軽いです。
 一年間のオンライン機能による各種サービス込みで2,300円也。AppStoreのアプリとしては高い部類ですが、紙の道路地図で考えれば一冊か二冊くらいの値段ですね。一年経過後の各種オンラインサービスは別枠のようですが、地図データそのものはそのまま引き続き使えます。

---関連エントリ---
GPSの話1 注文してみた:Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch "XGPS251"

GPSの話2 iPodTouchを僻地使用可のマップ付きGPSに

GPSの話3 iPhone用アプリ「DIY GPS」をiPodTouchで使ってみる

GPSの話:番外 「DIY GPS」とXGPS251のアップグレード、その他


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2010年11月13日

あったらいいと思うもの:こんな熊鈴

 クマが出そうな山の中を歩くときには、熊鈴(熊避け鈴、熊よけベル)は必須です。
 熊鈴の音をさせながら歩いていれば、こちらが気づくよりさきに熊が気づいて、面倒な接近遭遇を避けてくれるはずです。
 たぶん。

 でも、地図をみたりデータをとったりするために立ち止まったりしゃがみこんだりすると、無音になっちゃうんですよね。
 なので、ときどき腰をフリフリして音をたてたりしてみるわけですが、ちょっとおまぬけ。
 ということで、とまっていても音を鳴らしてくれる熊鈴があるといいかな、と。

 ちなみに、ラジオを鳴らしながら歩くなんて方法もクマ対策としてよく紹介されてますが、常に鳴りっぱなしのラジオはあちらの気配を感じずらくなってしまうのであんましよくないと思います。
posted by biobio at 01:37 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 機器/ツール/ノウハウ/アイディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月12日

GPSの話3 iPhone用アプリ「DIY GPS」をiPodTouchで使ってみる

 前回、前々回に引き続き、GPSの件。
 手持ちのiPodTouch(第2世代)を地図表示出来るGPS機にすべく「Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch:XGPS251」というGPSアダプタを装着し、AppStoreから「GPS Cradle Status Tool」「DIY GPS]というソフトをインストールしたところまで書きました。
 iPhoneを使えばこんな回りくどいことをする必要はないのですが、携帯は携帯で現状維持、既にあるiPodTouchの有効活用による格安高機能GPSゲット!ってのが狙いです。
xgps300.jpg

 ってことで、さっそくフィールドへ。USBで給電できるエネループの予備バッテリも一応準備。

 まずはXGPS251について。
 手順としては、iPodTouchにXGPS251を装着、XGPS251のスイッチをGPS側にオン、GPS Cradle Status Tool起動、ってな具合。そんだけです。
 ハードウエアの機能として、iPodTouchとXGPS251の組み合わせは特に問題なし。iPodには電子コンパスがついていないので、電子コンパス必須のアプリケーションが使えない点は残念ですが、これは最初からわかっていたこと、贅沢はいいますまい。電子コンパスが欲しければ、素直にiPhoneにするかGARMINかどこかのコンパス付き専用機を買うべきです。100円ショップのコンパスでも方位はわかるはずですが、こいつは精度に難あり。複数個買って比べると複数方向の磁極を示します。

 で、このXGPS251、衛星を捕らえるのがちょっと遅めかな、という気がします。あっけなくすぐに捉えてくれることもありますが、広々と空が見えているのにいつになっても探索中が続くこともありました。この間、衛星をおいかけている画面が出てきたりするわけではないので、ダイジョブか?と心配になってしまいます。この衛星キャッチ時に使う「GPS Cradle Status Tool」というアプリ、XGPS251を接続してもしなくても同じ画面表示ですので、おそらくハードウエアにトラブルがあってもわからないでしょう。特に野外で使用する場合、故障しているか否かの判断がつきずらいのはよくないですね。
 ま、一度衛星をとらえさえすれば、その後の働きは問題なさそうです。XGPS251の性能というより衛星しだいってことなのでしょうが、驚くほど正確に現在地を表示してくれます(標高や周囲の地形も正確さに関係するようですので、精度に関してはそのへんのことに留意しておく必要があります)。

 そんなわけで現在地の緯度経度データはXGPS251からちゃんと得られていますので、あとはそれをどう使うか。ソフトウエアの問題ですね。
 ということで、今回は前エントリから触れている「DIY GPS」というアプリケーションの使い勝手について、フィールドでテスト。
Default.png

 「DIY GPS」で出来ることについての詳細は製作者さまのサイトをご覧ください。
 衛星を捉えて現在地の緯度経度情報が表示されたら、「DIY GPS」を起動し山の中に突入します。
 歩いたところは、林道でも登山道でもなく、けもの道や、けものすら通った形跡のないただの藪とか。アカマツ林、コナラ林、竹林のほか、薄暗いスギ・ヒノキ植林とか常緑広葉樹林とか、まあ、いろんなところです。そんなところで果たして「DIY GPS」がうまく使えるのか。

 いや、ばっちりですよ。すごいすごい。

 あらかじめ準備しておいた地図は、二万五千分の一地形図をキャプチャしてちょっと加工したものです。カラー表示できるので、川がちゃんと水色表示されるのが嬉しい。モノクロの地図だと、川と道の区別がつきずらいんですよね。これ、かなり重要。
 で、自分で用意した地図ならなんでも使えるということは、自分が歩くべき道に線をひいたり、特別な用事のある場所に印をつけた地図をつくっておけば、そいつをそのまま画面に表示して使えるということ。かなり強力な機能です。
 例えば下の例。
IMG_0051-.png


 地名を隠そうとしてズームズームしたので画像が荒くなっているところはつっこまないで欲しいですが、赤線をたどりたかったのにちょっくら低いところを歩いてしまったのもちゃんと捉えてくれました(現在地が赤いプロット。青いプロットが「さっきいたとこ表示」。途中の軌跡が赤線から低い方にずれちゃってますね)。
 けもの道をたどっていったらこうなってしまった、ってところなんですが、歩きたかったラインからどのくらいずれてるかをひと目で見て取れるというのは、とにかく便利です。
 あとどれくらい歩けばいいんだっけ?と思ったときには、現在地と目的地を二本の指でタッチすれば、瞬時にその直線距離を表示します。結果、元気が出るかうんざりするかは状況次第ですが、この機能も手軽で便利。

 目的の場所へつくまで、カーナビとしても活躍しましたよ。普通のカーナビ画面だと薄茶の背景に白い道一本のみってところも、しっかり等高線で地形を表示してくれますからね(もちろん、その場所の地形図を自分で用意しておいたからなのですが)。

 一応書いておかねばと思いますが、電子コンパスを用いた機能は、もともとiPodTouchにそれがないので使えません。画面右上のコンパスは駐禁マークになりますし、進行方向にしたがって地図がぐるぐる回る機能は動作しません。でもこれはたいした問題ぢゃない。むしろ、「上を北に固定して地図を使わないとおばかになりそう」という危機感を無くしてくれます。方位に対する自分の動く方向を知りたければ、「さっきいたとこ表示」機能でことたります。

 地図の準備はちょいとひと手間かかりますが、使いようによっては高機能の地図表示機能付きハンディGPS専用機にまさるほどの「DIY GPS」。ホント、便利便利。すごいです。450円。使ってわかる「ウソッ」ってな値段。携帯圏外での活動や道なき道を歩くことの多いiPhone使いは、インストールしておいて損はないでしょう。

 ま、地図の準備の手間がもうちょっと軽減できるといいな、と思います。
 自分で実際にやってみてそこそこ楽できるノウハウなんてのもみつけはじめていますが、もっともっと簡単にできたらな、と。パソコン画面で地図をスクロールしながら大きなスクリーンショットをとることが出来ればずいぶん楽になるはずですが、今のところ適当なソフトを見つけられていません。Windows用ソフトはあるようですが、Mac用が欲しい。あ、カシミールもWindowsだけなんですよね。これ、結構つらい。

 使用感として、注文を付けたいのは以下の二点くらいかな。
 DIY GPSでは、iPhoneもしくiPodTouch+XGPS251を手にしてDIY GPSの画面を見ながら歩く場合が多いわけですが、フィールドノートやペン等といっしょに持っていると、ついつい、液晶画面にタッチしてしまいます。そうすると、いつのまにか画面が地図フォルダ画面に切り替わってしまっていたりします。てか、そういうことが結構多い。なので、画面の決められた一部分以外タッチを受け付けないモードがあってもいいかな、と。
 もひとつは、GPSが衛星を失ったときについて。
 最近のGPSはかなりうっそうとした森の中でも結構ちゃんと衛星を捉えてくれますし、実際今回のテストでも驚くほどちゃんと現在地をとり続けてくれました。が、それでもときには精度が大きく狂ったり衛星を見失ってしまったりすることがあります。そんなとき、よくあるタイプのGPSで軌跡表示モードにしておくと画面上にぴょんぴょん飛び跳ねたような軌跡が描かれます。でも、DIY GPSは「さっきいたところ表示」以外に軌跡を残さないので、衛星を失ってしまったかどうかの判別がしずらいんですよね。距離で示す「さっきいたとこ表示」とは別に、時間で示す「さっきいたとこ表示」があれば、そのへんがわかるようになるのかな、なんて思いました。

 以上、DIY GPSの使用感でした。
 軌跡のログをとって歩いた全行程を出力するとか、歩きながら任意のポイントをマークしてその座標を出力するとか、その手の機能があったらあったで使うかもしれませんが、「今日歩いたところのログデータ頂戴」といわれたとき、「やだ」でなく「無理、出来ない」と言い切れるのは魅力かも。

(追記: ver 1.3.0からロガー機能が付きました。その他、標高、速度、GPS座標精度表示追加等の変更あり。詳しくはこちらhttp://keijiweb.com/down/diygps/。歩きながら誤って画面にタッチしてしまっても大丈夫になったり、受信機が衛星を失ってしまったときに判別しやすくなったりと、格段に使いやすい設計になっています。またの機会に新バージョンの使用感として紹介したいと思います。)

 他、今回のテスト、バッテリのもちについてはiPodTouch+XGPS251の場合特に問題なし。
 途中、車移動時に短時間の充電をしたので連続使用がどんだけ大丈夫という話はできませんが、ほぼ一日歩きまわってiPodTouchはだいたい6割以上、XGPS251は8割以上残量がありました。予備バッテリは持ち歩いただけで全く使わずじまい。
 でも、iPhoneで同じようなことをしようとした場合、予備バッテリは準備しといた方がよさそうですね。

 あ、そうだ。
 iPodTouch+XGPS251だと、市販のiPod用ケースとかストラップとかが使えません。これは一工夫しておかないと不便ですね。深い山ん中で落として壊したら洒落にならない。遭難します。
 という悩みをもった人のために、XGPS251にはiPodTouch+XGPS251をがっちり固定するフォルダ付き吸盤がちゃんと付属してるんですよ。親切ですねぇ。さっそくおでこにペタリとくっつけましょ。
 カッコイイよ、きっと。違う意味で。

 
---関連エントリ---
GPSの話1 注文してみた:Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch "XGPS251"

GPSの話2 iPodTouchを僻地使用可のマップ付きGPSに

GPSの話3 iPhone用アプリ「DIY GPS」をiPodTouchで使ってみる

GPSの話:番外 「DIY GPS」とXGPS251のアップグレード、その他





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2010年11月04日

GPSの話2 iPodTouchを僻地使用可のマップ付きGPSに

 前回エントリに、手持ちのiPodTouch(第2世代)に装着できるGPSアダプタ、「Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch:XGPS251」を購入したことを書きました。
 目論見としては、携帯が圏外となってしまうような僻地や野山でも、地図付きでGPSを使用したい、と。

xgps300.jpg

 で、結果。

 製品到着→iPodTouchに装着→GPSスイッチオン→
 衛星キャッチ→マップアプリ起動→現在地表示→自分の動きに合わせて追従→OK、OK

 というわけで、普通に問題なく使えます。バッテリ内蔵なので心強し。

 ちょっと補足的に細かいことを書いておきますと、どんなGPS機器でも最初の衛星の捕捉には若干の待ち時間が必要ですが、今回の機器の組み合わせの場合それがいくぶん長いようです。なので、iPodTouchのWiFiをオフにして衛星探しに処理を集中させると早くなるとか、捕捉に専用アプリを使うといいとかいうTipsがあります。
 専用アプリというのはDual社による本機用のフリーソフト GPS Cradle Status Tool
http://itunes.apple.com/us/app/gps-cradle-status-tool/id389368520?mt=8

スクリーンショット(2010-11-04 9.12.40).png

 輸入(輸出?)元の社長さんによる説明はこちら(VC社長日記:Dual社よりGPS Cradle Status Tool がリリース)。
http://vintagecomp.livedoor.biz/archives/51562565.html

 これで、公衆無線LANの多い町中で遊ぶならなんら問題なく、現在地表示や軌跡の記録なんていうGPS専用機的な地味な使い方のみならず、iPhone用のGPSを使った多彩なアプリで楽しむことができます。
 めでたしめでたし。
(たぶんiPhone用のGPSアプリすべてで使用可というわけにはいかないと思います。個別に試してみないとわかりません)

 が、僕らには、眼の前にまだ大きな壁が立ちはだかっているのでした。

・圏外/オフラインのときにも地図を表示して使えなければ問題外。
・国土地理院二万五千分の1地図相当以上の等高線入り詳細図が使えないと話しにならない。

 ひとつ目については、iPhone用のオフラインでも使える地図「MapFan for iPhone」などが使えそうで、これがあればカーナビにもなります。
http://www.mapfan.com/mobile/iphone/
(iPodTouch&XGPS251で本当に使えるかどうかは、調べてみてないのでわかりません)
 また、googlemap等の地図画像をキャッシュとして保持しておけば、オフラインでも使えますし、好みの範囲を選んでiPodTouch内に保存しておけるアプリやツールも無いではありません(このへんについてはいろいろ面倒な問題がつきまとうようですが、めんどっちいので割愛)。
 ま、どうにかなるってことですね。

 が、二つ目の問題についてはMapFanでもGoogleMapでも解決できません。
 なんせ、GoogleMapで目的地周辺を拡大表示してみたところで、等高線の一本もなく、ただ、画面一面薄茶色にべったり塗られただけ、ってことがほとんどですから。
(GoogleMapでは、場所によっては詳細な等高線が表示されるようですね。どうもまだ、ごく限られた地域だけのようですが)

 うーん、どうして解決してくれよう・・・。

 と、悩んだフリをしてみましたが、実はこの問題を解決できるアプリがあるのでした。
 というか、このアプリの存在を知ったので、XGPS251をポチッとする気になったというのが本当のところです。

 DIY GPS ver 1.2.0

Default.png

 以下、webサイト上の説明

 山でiPhoneのGPSを使おうとすると困ります。

 1.3Gに接続出来ない場合が多く、Googleマップを表示できません。
 2.Googleマップを表示できても、登山道やコースタイムなど、登山に必要な情報は載っていません。
 
 そこで、事前に自分で地図の画像を用意して取り込み、その地図のどこにいるか知るためのアプリを開発しました。
 それがこのアプリ、「DIY GPS」です。

 一言で言うと、自前の地図画像のどこにいるのか判るようにするというアプリです。

 ■対象機種
 iPhone OS 3.0以上
 GPSが使える機種に限ります。iPodでは使用できません。
 ■App store
 http://itunes.apple.com/jp/app/diy-gps/id393724766?mt=8



 最後に「iPodでは使用できません」なんて気になることが書いてありまして、そこが最大の懸案事項でした。
 試して見るまで、内心ドキドキ。


 で結果は、というとバッチリグッド。使えました(ほっ)。

 画面はこんな感じ(AppStoreの画像より)。
 もちろん、地図は二本指のピンチで簡単に拡大縮小できます。

mzl.kkxgooas.320x480-75.jpg



 この「DIY GPS」、地図の準備に若干手間がかかりますが、それをはるかに上回る利点があります。

・国土地理院の「地図閲覧サービス(ウォッちず)」やカシミールの地図が使える。
 http://watchizu.gsi.go.jp/
 http://www.kashmir3d.com/
・調査で使う踏査ルートや各種ポイントの印が入った地図を、そのままGPS画面に表示して使える。

 とくにふたつめ、高性能のMy GPSをお持ちの方もうらやむほどではないかと。

 このアプリ、基本的な考え方はとてもシンプル。
 用意した画像の対角ふたつに緯度経度情報をもたせ、その画像を地図として扱うというものです。

 なので、その気になればこんなこともできるはずです。

・自分で書いたイラストマップでGPS散策とか宝探しゲームとか。
・昔の地図をスキャンして取り込み、タイムスリップ気分にひたってみるとか。
・全く別の場所の地図上に現在地表示させて(外国とか火星とか)ひとをからかうとか。
・迷路画像を表示させて、広い荒野で迷路遊びするとか。
・地図の代わりに写真や絵を表示させ、その上でうごめいて遊ぶとか。

 実際に使ってみての話は、また次回。

※注意:iPodTouch&XGPS251を環境調査、生物調査の現場で使えるかという観点のもとでこのエントリを書いていますが、厳密さが求められる調査においては、使用したGPS機器のメーカーや型番まで明らかにする必要があります。
 その場合、iPodTouch&XGPS251と「DIY GPS」の組み合わせは適当とはいえません。
 ここに書いている事柄は、あくまでも調査効率アップや自身の身を守るための個人の工夫の範囲ということで、ご理解下さい。

---関連エントリ---
GPSの話1 注文してみた:Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch "XGPS251"

GPSの話2 iPodTouchを僻地使用可のマップ付きGPSに

GPSの話3 iPhone用アプリ「DIY GPS」をiPodTouchで使ってみる

GPSの話:番外 「DIY GPS」とXGPS251のアップグレード、その他





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2010年11月03日

GPSの話1 注文してみた:Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch "XGPS251"

 山や森に入っての調査の場合、GPSを持つことが多いかと思います。ログをとってちゃんと踏査したかどうかを確認する、なんていういやらしい使い方はともかくとして、仕事を効率よくこなすため、自分の命を守るために、GPSは頼りになる強力なツールといっていいでしょう。
 とはいえ、画面に詳細な地図を表示できるタイプの機械となると気軽に買えるような価格でもないですから、ひとり一台 My GPS というのはなかなか難しい話です。
 と、前置きをしたところで、こんなものを試してみたのでご紹介。
 はたして、使えるものになるか否か。

 アメリカのDual Electronicsという会社から出ている「XGPS251」というiPod touch専用GPSアダプタ。
「XGPS251」というのは型番で、ちゃんというなら「Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch」という長い名前になります。

xgps300.jpg

 GPSレシーバー、バッテリ、アンプ付きスピーカー、3.5mm オーディオ端子、mini USB端子、マイクを搭載。 カーマウントと充電用ケーブルが付属。
 早い話、GPS機能のついていないiPodTouchにGPSレシーバーを追加するアタッチメントです。これ自体にバッテリが内蔵されているので、iPod本体の電源に負担はかけませんし、iPodの予備バッテリーとしても使えます。
 素直にiPhoneにすればいいじゃない、という話も聞こえてきますが、野山で仕事するなら携帯はdocomoでないとね、という大きな声もまた聞こえてきますので、iPodTouchの有効活用をかねつつモノは試し、うまく使えたら大々ラッキー、と。

 てなわけで、ポチッとしました。
 ポチリ先はこちら、日本での取り扱いをしているVINTAGE COMPUTER
http://www.vintagecomp.com/shop/shopexd.asp

その後はこんな具合で一週間ほど。

GPS01.jpg

届きました。いつどこで入れたのか、クーポン券付き。

GPS02.jpg

割合にカッコいい二重のパッケージです。
丸い封印シールが一部剥がれてましたが、中身チェックされたんでしょうかね。

GPS03.jpg

パッケージングはちょっと予想外の綺麗さでした。ニッチなニーズ狙いのチープさを想像してたんですが。

GPS04.jpg

カーアダプタとか、ケーブルとかいろいろ入ってますが、ま、いいや。

GPS03-.jpg

主要なところはこんな感じ。

GPS05.jpg


とりあえず今回はここまで。

 実際には、GPSが使えるようになっただけでは意味はなく、クリアすべき大きな問題が残っています。

・圏外/オフラインのときにも地図を表示して使えなければ問題外。
・国土地理院二万五千分の1地図相当以上の等高線入り詳細図が使えないと話しにならない。

 そのへんについては、使用感を含めてまた後ほど。


---関連エントリ---
GPSの話1 注文してみた:Dual GPS Navigation and Battery Cradle for iPod touch "XGPS251"

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