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2009年07月03日

テレビの中の希少種

AFPBB国際ニュースより。



 国際自然保護連合(IUCN)によれば、国連(UN)の生物多様性条約(Convention on Biological Diversity、CBD)が定めた生物種の減少抑制目標は、2010年までの達成不可だそうです。
 IUCNのレッドリストの絶滅危惧種4万4838種のうち、869種はすでに絶滅種か、野生絶滅。絶滅寸前種290種を加えると合計1159種。両生類は3分の1、鳥類では8種類に1種類が絶滅の危機にあり、哺乳類ではアジアで狩猟対象となっている種を中心に、全種の4分の1近くが同様の状況とのこと。
 「全体で1万6928種が絶滅の危機にある」「世界で既知の生物種は180万種とされるうち、こうした分析がなされているのはわずか2.7%であることを考えると、絶滅種に関する数字はもっと大きいはず(IUCNのプレスリリースより)」だそうですが、この手の数字はなかなかピンときません。希少種とされているいくつかの動植物名が思い浮かびはしますが、いったいどこに済むどんなやつなのかということになると、実際にかかわったことのあるものを別とすればテレビから得た情報オンリーだったりするからです。多くが外国で暮らす種であることと、どこにでも普通にいるわけでないからこそ希少種なのですから、当然といえば当然なのですが。
 ということで、積極的に情報集めをしないかぎり、私たちが知ることになるのは姿形や生態がテレビ番組的に見栄えのするものや絶滅に瀕するまでのストーリーがわかりやすいものばっかりになりがちなわけで、地味で他種と見分けがつけずらく、これといった環境破壊もなく採集マニアがいるわけでもないのにいつのまにか減っている種、なんてものについてはさっぱり情報が入ってこないわけです。研究者さえ知らないなんてことも決して珍しいことではないはずです。
 フォトジェニックでなくても害虫、迷惑昆虫、雑草、毒草、危険生物なんてウリがある場合、また、わかりやすい生息環境破壊のストーリーが見えなくても、その生き物の暮らしぶりとそこにかかわる人々にテレビ的に栄える物語が見いだされたならば、情報は流れ出すでしょう。希少種をめぐる情報の中に報道すべき希少価値が発見された場合のみ、希少種情報は一般家庭にテレビで宅配してもらえることになるわけです。希少種にもスターダムにのし上がるやつと、その他大勢がいるわけですね。
 その他大勢のうちのさえない誰かがひっそり死んだとしても特別ニュースになることはなく、ごく限られた周囲を除けばその前とあとで特にかわるものもない、ってところは、メディアを通してみる人間社会と同じようなものかもしれません。


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