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2009年04月10日

トキの試験放鳥について6(調査関連、周辺事情)

「トキの試験放鳥について4(関係者たちの見解・コメント)」、「トキの試験放鳥について5(他の生物関連)」に引き続き、調査関連、周辺事情についての話題をピックアップ。

関連エントリ
 ・放鳥トキについての関係者たちの見解等
 ・他の生物関連
 ・調査関連、周辺事情(このエントリ)
 ・その他

このブログのトキ関連エントリ一覧は末尾に。
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【調査関連、周辺事情】

●【探訪2009】トキ放鳥...想定外ずくめの4カ月 新潟県・佐渡島 - MSN産経ニュース(2008.1.18)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/090118/trd0901180922006-n1.htm

  「日々の行動を観察し続ける日本野鳥の会佐渡支部副支部長の土屋正起さん(58)は、『今までのトキの常識がすべて覆された日々だった』と、想定外ずくめの4カ月を振り返る。
 土屋さんは環境省の放鳥プロジェクトに協力するトキモニターボランティアの一人。昨年9月の放鳥以後、トキの観察を続けているが12月からは休みなしだ。」


 ボランティアとして観察している人と仕事として観察している人の両方があると思うのですが、両者の関係や連携がどうなっているのか気になります。

 おや? 考えてみれば「観察」の「ボランティア」ってのも珍しい話じゃないでしょうかね。
(トキモニターボランティアの方々の活動は素晴らしいものだと思いますが、こういった場面での「ボランティア」という言葉自体には、どうしてもひっかかりを覚えてしまいます。なので、以下、戯言。)
 「モニターボランティア」って結構なんにでも使えるかもしれない。趣味でもなんでも、生物の観察をやってる人はこれを名乗ってみたらどうでしょうか。人間活動を含めた生態系は極めて複雑ですから、どこかでそれが社会奉仕活動に繋がっているかもしれません。
 いやいや、もっと広範囲につかえるな。各種方面のウォッチャーさんがみな「モニターボランティア」を名乗りだしたら面白いかも。「裁判」とか「北朝鮮」とか「政治」とか、いっそ大雑把に「テレビ」とか。「赤ちょうちん」なんてのもいいですね。
 「街角ファッションモニターボランティア」なんていったら、結構きわどいのが含まれてしまいそうですが。

●【ふるさと便り】トキ1羽がメ雪の十日町モに飛来 新潟 (1/2ページ) - MSN産経ニュース(2009.2.10)
http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090210/sty0902102021008-n1.htm

「トキ専門家会合では観察マナーの悪さがトキの定着を阻んでいるという意見も出ており、十日町市では静かに見守るよう市民に呼びかけている。」


「鳥追い」やねえ。

●asahi.com(朝日新聞社):トキ、さらに1羽が本州に ペア期待の雌、雄と別れ - 社会(2009.3.10)
http://www.asahi.com/national/update/0310/TKY200903100337.html

「環境省は「本州への移動は想定外で観察態勢が追いつかない」とし、業者委託など新たな態勢を検討する。」


 ご予算はいかほどなんでしょうか?
 競争入札するんでしょうかね。ならばその経過も是非公開/報道して欲しいと思います。
 もちろん、入札しないならば何故しないのかも。
 もう、どこかにありますでしょうかね。

●asahi.com:「トキへ配慮を」 県が工事業者に求める-マイタウン新潟(2009.3.23)
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000903230004

「佐渡島中央部のトキのえさ場近くで行われている土木工事について県は、トキを驚かさないよう配慮しながら工事するよう業者側に要請した。業者側も『トキが近づいてきたらできるだけ作業を控えること」などを現場に指示した』」
「工事を請け負う菊池組(佐渡市両津夷)は「初めてのケースで正直とまどっているが、当面はトキが近づいてきたら大きな音を立てないなど、様子をみながら作業を進めたい」。
「 同振興局は昨年11月から、『工事現場近くでトキを見かけた場合は、監督員に連絡する』などの項目を定めた『トキの試験放鳥を支援するための特別仕様書』を発注工事の設計書に添付」


 猛禽類の営巣場所まわりでも多くなってきている話ですが、どの程度の配慮がどの程度の効果に繋がるか、ってのが難しいところですね。その配慮が業務遂行をどの程度圧迫するのかってのは、簡単にお金で計算できることでしょうが。

環境省の岩浅有記自然保護官:
「住民の日常生活が制限されてはならないのが原則だが、トキとの共生のため関係者が歩み寄りを模索していくケースは今後もでてくるだろう」

 関係者が歩み寄っても、その外側の人たちや団体が歩み寄りを阻むというのが、ありがちな話なんじゃないかと。


●本州トキ観察、マナー守って(新潟日報) - goo ニュース(2009.3.25)
http://news.goo.ne.jp/article/niigata/region/1-158021-niigata.html?C=S

「本州に渡ったトキをめぐり、飛来地で混乱が生じている。トキを一目見ようと大勢が押しかけ交通事故や地元住民とのトラブルが発生。トキがおびえると心配する声もある。県は25日までに、緊急に「観察のルール」を県民に呼び掛け始めた。」
「県によると、本州側のトキの飛来地では週末になると100人以上の見物人が押し寄せ、飛来各地で迷惑駐車に対する苦情が出ているという。魚沼市では見物人が脇見運転したことによる物損事故も相次いで起きた。」
「県は本州のトキが『見物人から逃げようとして頻繁に広域の移動を繰り返している可能性もある』と指摘。」


こりゃ、たいへんですね。
と、思いますが、多摩川のタマちゃんの例で考えれば想定内。

「佐渡市では、放鳥前にルールを周知したため大きな混乱はなかった。」

さすがだと思います。
が、そもそも人が少ないのだろうとも思います。


●asahi.com:(中)平野部の住民に悩みも-マイタウン新潟(2009.3.27)
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000330903270001

現在トキの生活圏となっている平野部の住民たちが企画開催した、「国仲・大佐渡中央部 トキを語らう集い」にて。

「住民からは、環境省のモニタリング(観察)関係者への不満が噴き出した。
 『(観察のスタッフらしき人から)トキを脅かさないよう農作業も隠れてやってほしいと言われた。住民の行動が制限されている』
『犬の散歩をしないでほしいと言われた』
 間もなく田植えのシーズンを迎える。田んぼに機械を入れなければならない。どう行動すればよいのか……。
 その場にいた環境省の担当者は『普段通り生活してほしい』と強調したが、『本当にそれでいいのか』と釈然としない表情の住民もいた。」


 仕事としての観察だとすると、「農作業も隠れてやってほしい」「犬の散歩をしないでほしい」とまで言う調査員の存在は、ちょっと信じ難いですね。保護への熱意にあふれた人、というより、周りがよく見えていないのではないかと。
 私の知るかぎり、プロの調査員ならば地元の人とのよけいなトラブルは極力さけようとする姿勢が染み付いていますから。

 実際の観察員の声としては以下。

「観察スタッフの側にもストレスはある。早朝からフィールドスコープ(観察用の望遠鏡)に張り付いて観察しているのに、見物人らが近づいてトキを飛ばしてしまう。「注意したら、露骨に嫌な顔をされた」と不満を漏らす。」

 これは、農作業や近所人の犬の散歩とは違うようですね。
 一見さんとしての見物人たちはそのとき限りの話かもしれませんが、観察スタッフの方は一日に何度も何度もそんなことがあれば、いやにもなりまさあね。トキへの悪影響というのは脇にどけたとしても、「やっていることを邪魔される」ということそれだけで。
 だいたい、データをとれなきゃ仕事にならないわけですし。
 あ、いや、データなんてとれなくとも定められた時間フィールドスコープに張り付いてさえいれば仕事をしたことになりますか、そうですか。
 でもまあ、今は、摂餌場所、摂餌方法、頻度と量、種類なんていうデータをたくさん集めておきたいところですね。

 今後、一部で問題になっていきそうだと思えるのは以下のこと。

「トキのえさ場近くで工事する業者は、トキが近づいたら作業を控えるよう県から要請された。」

 工期の遅れは、現実的な損失となって返ってきます。
 実際に、そのしわ寄せがいくのはどこかと言えば、下請け業者や職人たちといったところでしょうか。
 仮に県や市がその損失を補填したとしても、しわ寄せを受けたところまでそれが行き渡るかというと、それはかなり怪しいんじゃないかと。

「かつてトキが暮らし、耕作放棄が進んだ山あいには、人工の水たまり『ビオトープ』が整備された。だが、トキは市街地に近い、天然の水田を選ぶ。」
「自らの水田に連日、トキが来ている内海正明さん(55)は『実際に見れば、かわいいもの。あくまで自然体で、譲れるところは譲るしかないのかも』と話す。」


 かつて害鳥といわれていた頃の様子が蘇りつつあるということでしょうかね。

「本州側の観察体制について、4月以降強化する方針。現在は「県野鳥愛護会」に観察を委託しているが、委託先の団体を増やすなどして、生態調査に力を入れたい考え」

  委託とありますが、ここに仕事として業務委託しているということなんでしょうか。
「新潟県野鳥愛護会」の活動に関連する記事はたくさんみつかりましたが、会のホームページがみつからなかったので詳細不明。

 昨年の放鳥以来、トキの観察調査がものすごい密度で行われているようですが、これが、調査関係者にとって、ぶっちゃけ「おいしい話」なのかそうでもないのか、そのへんのことも知りたいと思います。
 おそらく、いろいろな形でずいぶん多額のお金も動いているでしょうから。

●余録:戻ってきたトキ - 毎日jp(毎日新聞)(2009.4.2)
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/20090402k0000m070134000c.html

「佐渡の地元ではかねて本州に渡ったトキを島に連れ戻すよう要望し、一方で鳥の専門家は捕獲に反対して観察続行を求めていた」


 アバウトに書かれていますが、「地元」対「鳥の専門家」という構図にしてしまうのはいかがなものかと。

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トキ関連エントリ

 トキの試験放鳥について1
 トキの試験放鳥について2(放鳥関連記事まとめ)
 トキの試験放鳥について3(放鳥周辺記事まとめ)
                  (2008年12月中旬まで)
 トキの試験放鳥について4(関係者たちの見解・コメント)
 トキの試験放鳥について5(他の生物関連)
 トキの試験放鳥について6(調査関連、周辺事情)
 トキの試験放鳥について7(その他)
                  (2009年4月上旬まで)
posted by biobio at 09:34 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 事例・事件、法令関連の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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