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2008年11月18日

アレチウリとの地味な戦い

 まあ、なんといいますか、ともかく難儀なやつです。
 特に秋。
 不用意にアレチウリの繁みに突入してしまったら、その日はもうずっと不快感に苛まれるでしょう。

「ウリ科の大型のツル植物で1年生草本。北米原産で日本では本州以南で帰化植物として知られ、特定外来生物に指定されている。」
 以上、Wikipediaより。http://ja.wikipedia.org/wiki/アレチウリ

 特定外来生物ということで駆除もされているわけですが、すさまじい繁殖力ではびこっています。河原なんかに多い、パッと見、クズに似たアレです。

 アレチウリの果実のまわりには、びっしりと細長いトゲというか針というかがついているのですが、これがごく簡単にはずれて服や体にささりまくります。
 素手でさわれば、指は即座にサボテン状態。
 シャツもズボンもなんなく貫いて布の内側に先を出し、チクチク、チクチクといつまでも体を刺し続けます。
 アメリカセンダングサとかアレチヌスビトハギとかササクサとか、実や種子が衣服や髪にくっついやっかいな植物はたくさんありますが、これら「ひっつき虫」たちと違い、種ごとくっつくのでなくトゲだけくっつけやがるというところが、アレチウリのアレチウリたるところ。実もいっしょにくっついてきてくれれば、どこか遠くに連れていってあげることもできるのですが、どうやら彼女はそういうのを望んでいないようです。種子散布において、僕らは全くお呼びでないってことですね。寂しいもんです。よくよく見れば、繊細できれいな構造をした実なんですが。

 何の用事があるかはともかく、薮に分け入る人は軍手をすることが多いかと思いますが、アレチウリを前にしてはこれがまた最悪。
 軍手の編み目に垂直に定位したトゲが、それはそれは見事に指を目指して刺さってきます。手を守ってくれるはずの軍手が、あっというまに手を痛めつける兵器と化すわけで、こうなった軍手は全く使い物になりません。
 このトゲ、簡単に抜けはするんですが、何十、何百、何千本と服に突き立ってしまったら、もうどうしようもない。服を脱ぎ捨ててしまうか、丹念に取り除くか。
 「我慢する」というチョイスも当然あるわけですが、普通人の皮膚感覚ではなかなか厳しいものがあります。

 ということで、最大の攻撃は防御なり。完全武装で守るしかありません。
 とりあえずゴムガッパと厚手のゴム手袋は効果があります。とはいえ、ごついゴム手袋をしていても、ごくあっさり、すっと突き抜けてくるトゲもあったりします。
 また、目の前のアレチウリをどけようとしてひっぱると、思わぬ方向に繋がったツルの続きがこちらを直撃してくるなんてこともあるので、刃物があると便利ですね。カマやナイフもいいですが、茎の狙った場所をハサミでちまちま切る方が失敗がなくていいのかもしれません。

 目の前の植生にダメージを与えてはいけないタイプの調査の場合は、もう、様々なことをあきらめる覚悟が必要でしょう。
 様々なことというのは、アレチウリのトゲにやられるということだけでなく、主には感情のやり場のことです。
 調査依頼者にアレチウリが多くてたいへんだったと言ったところで、このチクチクをわかってもらえるわけでなし、わかる人だったとしても笑って「あれはやっかいだねえ」と言われるだけです。また、トゲ攻撃にめげず植物をなぎ倒したり踏み荒らしたりしてしまわないよう丁寧に調査したところで、その直後にあたり一帯の草刈りが入って「あの苦労はなんだったの?」なんてこともないわけじゃありませんから。

 まあ、そんなこんなで秋はアレチウリには近づかないというのが一番なんですが、そうもいっていられない事情があるからこその難儀さ爆発、十分な対策に勝るものはないでしょう。
 で、この場合、自分だけ完全武装してもいいことはありません。トゲまみれになってしまった同行者が「丹念に取り除く」というチョイスをしてしまった場合、ただただ長い時間待たされることになりますので。

 ところで、これだけ高度な攻撃兵器でもって厳重に守っている種子なのですから、さぞかし魅力的な味をしているのだろうと思って食べてみました。

 まずいっす。

posted by biobio at 23:00 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 植物調査の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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