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2008年07月18日

生物調査にかかわるお金の流れ

 元請けとして調査業務を受注したコンサルが下請けに仕事を流すとき、その額は受注額から何割か引かれた額となります。孫請けに仕事が流れるときは、さらにそこから何割か減。ひ孫受けになるとさらにさらにまた何割か減。
 入札・受注には様々な形での熾烈な争いがありますし、入札参加要件となる各種資格保持者を会社に在籍させておかなければなりませんので、それなりの経費がかかります。天下りを飼っておくための費用が必要なところもあるでしょう。業務のマネージメントをし、外注したデータをとりまとめ、何度も会議に出席し、報告書を作成するといった仕事にかかる経費もそうとうなものになるはずです。そのための費用が受注額の何割というほぼ一定の割合であるのが適正な線かどうかはわかりませんが、通常はだいたいそんな感じであつかわれるらしいです。
 ともあれ、こんな感じでお金が流れますので、孫請け、ひ孫受けと、外注の段階が下がってくると、実際の調査に使えるお金は現実的にかなり厳しいものとなってしまうわけです。

 現地調査からとりまとめまで、業務の全てを元請け一社で行えば効率が良いようですが、必ずしもそれがベストでない理由があります。ひとつは、いつ仕事が発生するかわからない多方面の専門家を常に飼っているわけないはいかないからで、これは各分野に特化した調査会社に外注する方がずっと効率よくなります。もちろん、分析設備や機材等の問題もこれにかかわります。
 もうひとつは、官から発生する調査業務での支払いが、通常完了後か年度毎であり、手付金などあり得ず、中間払いもほとんどの場合で無いといった事情があります。
 となりますと、外注に出すということは、その期間中の支出を大幅に削減することに繋がります。
 特に、現実の調査では個人で活動する調査員を多く使うことが少なくないわけですが、その場合請負法によって支払いを送らせることはできません。自分のところで調査せずに他の会社に投げて個人調査員を雇わせれば、最大の経費である人件費の負担も肩代わりしてもらえるということになるわけです。
 ということで、下請け孫請けひ孫受けと仕事は流れ、みなさんカスカスで自転車をこぐことになります。


 ところで、元請けのコンサルによっては、報告書の作成を含めて下請けに丸投げし、発注者と実際の調査担当との間の不器用な伝言ゲームの仲介をするだけのところもあります。専門知識など皆無でも問題ありません。が、それでも何割かをごっそりもっていきくと聞きます。
 下請けでやっていた会社が直接入札に参加してその受注できさえすれば、そんな会社はいらないということになってしまいます。つまり、発注が官の公共事業がらみの調査であるならば、その元請けの取り分はただの税金の無駄づかいでしかないと思えてしまいます。

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