こんな新聞記事がありました。
2008年7月5日(土)、朝日新聞一面のトップ記事の署名記事(名古屋版で確認、その他の版は無しか未確認)
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環境省『生物25%減る』
愛知県の調査と逆 アサリ稚貝産地 六条潟周辺埋め立て
「愛知県が計画する三河湾『六条潟」周辺の200ヘクタールの埋め立てについて、環境書が独自に環境影響を調査し、『生物の生息密度が25%減少する』という結果が出ていたことがわかった。海域にすむ生物の4分の1がいなくなる恐れがあるという指摘だ。六条潟は国内有数のアサリの稚貝の産地。愛知県による調査では『アサリ幼生への影響はほとんどない』と報告されている。(林望、久土地亮)」
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この手の調査結果には、方法論の問題、調査の質の問題、解釈の問題、検討委員会/アドバイザーまわりの問題、関係各所への配慮や圧力など、いろいろなことがかかわっていそうです。
とはいえ、環境省=「生物の生息密度が25%減少」、愛知県=「あさりの幼生への影響はほとんどない」ということで、朝日新聞の「逆」というコメントが的確なのかどうかも、記事の情報だけからはよくよみとれません。
実際のところは、どうなんでしょうね。
ちなみに、記事中に書かれているの関係各所のコメントは以下のとおり。
愛知県:「入念に調査した結果を検討会に示して既に了承を得た。ふたつの調査結果の違いを精査するのは大変な作業になる」
漁業関係者:「複数の調査で違う結果が出たなら、県はその整合性を説明するべきだ」
環境省:「今回の調査結果が、そのまま環境省の見解というわけではない。しかし、地元が疑問を抱いているなら、県はきちんと説明責任を果たすべきだ」
ところでこの記事、一面トップで出ていたにもかかわらず、今のところnetでは全く見つかりません。asahi.comにもなし。不思議。
追記:
この記事についてふれたブログを一件みつけました(7/18現在)。
諫早の有明湾に続いて三河湾も埋め立て、国産アサリはどうなる?/Limnology 水から環境を考える