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2009年07月19日

猛禽類 飛翔時の印象

 生物調査・環境調査の場でワシやタカといった猛禽類はいろいろな意味で重要な存在だったりします。バードウォッチャーに大人気なのはいわずもがなですが、建設業界、各種開発事業関係者、それ関連の国や都道府県の公務員ならば「なにそれ」では済まされないやつらです。
 とはいえ、実際の姿はかなりその気にならないと見られませんし(トビ以外)、たとえ見つけたとしても図鑑の写真のように見えるなんてことはまずありません。ですので、ちょろりちょろりの遭遇体験をもとに、主な種類の最も目に付きやすい姿、つまり、飛翔時の印象を無理矢理言葉にしてみました。完全に主観です。濃いいバードウォッチャーやベテランの猛禽調査員ならばどんなふうに表現するのだろう、なんてことを気にしながらとりあえず。
 飛んでいる様子を表現する言葉の中には、鳥好きな人の間で共通言語化しているものもあると思いますので、そんなのをご存知の方がいらっしゃいましたら教えていただけると嬉しいです。

 一応、ぱっと見の色についても書いておきました。実際には遠目で空バックだとなんでもかんでも真っ黒にみえたりするわけですが、ちょっとした違いが見られるとしたらこんなところかな、と。( )内はお腹側が光に照らされて見えたときの色。模様は種や個体差でいろいろ。
 googleで画像検索したURLを書いておきましたので、写真をいろいろ見たい方はクリックして下さい。間違い写真が混じってないとは限りませんのでご注意。


●クマタカ 黒(白)
 四角 ぶわ ぱっさ わー
【写真】


●サシバ 茶
 美人さん うすっぺら ぱさぱさ サー ひもぶらさげ(餌持ち)
【写真】


●ハチクマ 黒など
 首ってる パサパサ よごれ 爆弾回収(餌持ち) パチパチ
【写真】


●ミサゴ 黒白まだら
 アオサギとんび へへ字 余裕だぜ 我が道 ミサイル装備(餌持ち)
【写真】


●ノスリ 黒 茶(白まだら)
 ふわり ひょい 出過ぎ 目玉(翼角の斑紋のはっきりした個体) 
【写真】


●イヌワシ 黒 茶
 でかぼろとんび、だがしかし
【写真】


●トビ 茶(茶)
 羽根へにゃ ちゅうー 尾羽かじとり たまにはとまれよ
【写真】


●オオタカ 黒(白)
 ハイタカみたい すー
【写真】


●ハイタカ 黒 青黒(白)
 オオタカみたい ぱたぱた
【写真】


●ツミ 黒(白)
 はやっ。
【写真】


●ハヤブサ 黒 青黒灰(白)
 とんがり まっしぐら どこいくのん? 弧 対向車線はみ出しぎみ パサパサツィー
【写真】


●チョウゲンボウ 茶
 とんがり スー ひらひら パタパタ
【写真】


おまけ
●カラス 黒
 へにゃへにゃへにゃへにゃへにゃへにゃスー

●キジバト 茶
 結構はやいじゃん 弾丸


ついでに、とまっているときの顔がみえたらこんな感じ。

●トビ
 タヌキ
●ハチクマ
 「ワタシ宇宙カラキマシタ」
●ノスリ
 「でぶじゃないもん」
●クマタカ
 たすけて!
●ハヤブサ
 「オクサンチョットヨロシイデスカ」
●チョウゲンボウ
 泣くなっ!
●オオタカ
 そう怒るなって 
●ハイタカ
 だから怒るなって 
posted by biobio at 23:03 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 動物調査の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年07月03日

テレビの中の希少種

AFPBB国際ニュースより。



 国際自然保護連合(IUCN)によれば、国連(UN)の生物多様性条約(Convention on Biological Diversity、CBD)が定めた生物種の減少抑制目標は、2010年までの達成不可だそうです。
 IUCNのレッドリストの絶滅危惧種4万4838種のうち、869種はすでに絶滅種か、野生絶滅。絶滅寸前種290種を加えると合計1159種。両生類は3分の1、鳥類では8種類に1種類が絶滅の危機にあり、哺乳類ではアジアで狩猟対象となっている種を中心に、全種の4分の1近くが同様の状況とのこと。
 「全体で1万6928種が絶滅の危機にある」「世界で既知の生物種は180万種とされるうち、こうした分析がなされているのはわずか2.7%であることを考えると、絶滅種に関する数字はもっと大きいはず(IUCNのプレスリリースより)」だそうですが、この手の数字はなかなかピンときません。希少種とされているいくつかの動植物名が思い浮かびはしますが、いったいどこに済むどんなやつなのかということになると、実際にかかわったことのあるものを別とすればテレビから得た情報オンリーだったりするからです。多くが外国で暮らす種であることと、どこにでも普通にいるわけでないからこそ希少種なのですから、当然といえば当然なのですが。
 ということで、積極的に情報集めをしないかぎり、私たちが知ることになるのは姿形や生態がテレビ番組的に見栄えのするものや絶滅に瀕するまでのストーリーがわかりやすいものばっかりになりがちなわけで、地味で他種と見分けがつけずらく、これといった環境破壊もなく採集マニアがいるわけでもないのにいつのまにか減っている種、なんてものについてはさっぱり情報が入ってこないわけです。研究者さえ知らないなんてことも決して珍しいことではないはずです。
 フォトジェニックでなくても害虫、迷惑昆虫、雑草、毒草、危険生物なんてウリがある場合、また、わかりやすい生息環境破壊のストーリーが見えなくても、その生き物の暮らしぶりとそこにかかわる人々にテレビ的に栄える物語が見いだされたならば、情報は流れ出すでしょう。希少種をめぐる情報の中に報道すべき希少価値が発見された場合のみ、希少種情報は一般家庭にテレビで宅配してもらえることになるわけです。希少種にもスターダムにのし上がるやつと、その他大勢がいるわけですね。
 その他大勢のうちのさえない誰かがひっそり死んだとしても特別ニュースになることはなく、ごく限られた周囲を除けばその前とあとで特にかわるものもない、ってところは、メディアを通してみる人間社会と同じようなものかもしれません。


土建化せんといかん&エコポイントとエコ・アクション・ポイント

 小泉さん以降公共事業が減り、ということはつまり、生物調査・環境調査の仕事も少なくなって関係者のみなさんがヒーヒーいっているところ、同時期に起こった日本的談合秩序の崩壊は本来あるべき望ましい姿へ業界を変身させることなく、単に適正価格の崩壊となって関連業界をさらにヒーヒーいわせていたりします。まあグダグダですね。特に末端の調査員はたいへんなようです。比較的安定的に仕事がある猛禽調査でも、調査員の単価は一時期の半分近くまで下がっているなんて話も聞きます。プロフェッショナルとして仕事が出来るような状況からほど遠くなりつつあるわけですが、そうするといつのまにかプロの仕事を必要としない「調査やりましたぁ」だけが大事な世界になってしまうかもしれません(単価がアホくさいほど安くなっても一定レベルのプロ的仕事が継続する自滅的な道の可能性については後ほど改めて)。
 ま、そんなこんなな状況の中で、名言「宮崎をどげんかせんといかん」→「土建化せんといかん」が生まれたわけですが、この名言繋がりでいきついたコラムのバックナンバーからエコ・アクション・ポイントなるものをみつけました。いや、全く知らなかったです。聞いたとしても完全に素通りしてました。

土建化せんといかんで見つけたコラムはこれ。希代の名コラムニスト小田嶋隆氏による「ア・ピース・オブ・警句」 〜世間に転がる意味不明
より、
「おっちょこちょいのヒマ人、『世論』を作る」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090626/198735/
(日経ビジネスオンラインの登録が必要になる場合があります)

で、エコ・アクション・ポイントについて書かれていたのは
「食べて痩せるダイエットと、『エコポイント』の共通点」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090522/195568/

エコ・アクション・ポイントのロゴマークだか推進キャラは「よだれ熊」(小田嶋さんによる命名)。ここで会えます。
http://www.eco-action-point.go.jp/

頭の右後ろのあたりがこそばゆくなるようなキャラですが、小田嶋さんの超絶紹介でエコポイントとの関係を知ると、なんだか胸の奥がキュッとするような、どうにかしてあげたくなるような顔に見えてきます。

環境省さん、私はさみしい。
以前、「モニタリングサイト1000」について
http://biobioenv.seesaa.net/article/110256781.html
で、少々つれないことを書いてしまいましたが、肩身の狭い思いをしていたんですね。頑張って下さい。
あ、でも、天下りはしなくて結構です。調査なんてしもしないなんちゃら法人なんちゃら協会が横から入ってきて業務受注すると、現場に流れるお金が減るわ伝言ゲームで話が通じないわで、迷惑なだけですから。

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