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2008年12月22日

関連記事:「琵琶湖で新種発見=カイミジンコ11種」gooニュース

琵琶湖で新種発見=カイミジンコ11種−滋賀
2008年12月16日(火)15:30
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/life/science/jiji-081216X525.html
「滋賀県は16日、琵琶湖の湖底から新種のカイミジンコ11種類を発見したと発表した。同湖にしか生息しない固有種の可能性があり、400万年前に形成された琵琶湖の生物多様性や環境特性を探る手掛かりとして注目される。」

カイミジンコといえば、ちょこまかちょこまかと、動きがなかなか面白いですね。
しっかし、一気に11種ですか。
やるじゃん、琵琶湖。

より詳しい記事はこちら。
県政eしんぶん「琵琶湖からカイミジンコの新種(11種類)を発見しました」
http://www.pref.shiga.jp/hodo/e-shinbun/dc32/081216.html
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2008年12月16日

「前回と同じで」という難題

 生物調査員を悩ます言葉に、「前回と同じで」というのがあります。
 即ち、「前回調査と同様に今回も調査して下さい」という依頼です。
 別エントリにも書きましたが、多くの場合、調査の実働部隊は業務受注したコンサル等ではなく、下請けの調査会社やフリーの個人調査員であるため、「前回」というのはどこかの知らない誰かがやった調査を指すことが少なくありません。元請けにしても、年度毎の入札であれば毎年違う会社が受注したところで不思議ない話ですので、調査を取り仕切る立場の担当者ですら「前回」というものの中身がよくわからなかったりします。発注側の担当者もまた、人事異動によって「前回」のことなど引き継ぎ書の中の一行でしか知らない人になっていたりします。
 ということで、たよりは前回の報告書ということになるわけですが、当然ながら報告書には細かいことがなにからなにまで書いてあるというわけではありません。もちろん、前年に受注した会社からより詳しい情報を得られることも無いわけではないですが、これは入札で競うライバル会社にお金にならないよけいな仕事を頼むという意味になるわけですから、発注者を通して依頼するとしても、そう期待できるものでもないでしょう。
 こんな事情も含め、「前回と同じで」という言葉は、時にかなりの難題となる場合があるようです。

 例えば、植物相調査の場合。
 これは指定されたエリアの中を踏査して確認できた種をかたっぱしからあげる作業になりますが、まずはどこをどう歩くのか決めるところから始まります。通常、地図を見て、実際の山を見て、できるだけ多くの種をあげるべく踏査ルートを選びます。ある程度以上の距離を踏査しておかなければちゃんと調査をやったとは見なされないし、距離を稼いだところで、似たような環境のところばかり歩いていては出現する種も限られます。ですので、地図にのっている道を基本線としてあたりつけ、あとはケモノ道を含め、比較的歩きやすいところを選んで調査をします。で、環境に変化が見られる場所等、その人なりの感覚で気になったところで、薮なり崖地なり湿地などに突入するということになります。道を歩くというのは決して楽に歩きやすいからというだけでなく、道沿いという環境が様々な種が出やすい場所ということでもあります(道が作られなかったらそれは生えることが出来なかった種なのかという問いは面倒なのでわきにどけておきます)。
 で、一度道を離れてしまえばあとはそこに生える種、遠くにみえる花に呼ばれるままに奥へ奥へといってみたり、ショートカットの形で林を抜けて別の道に出てきたり、崖や湿地に遮られて目指す方向とまるで別の方への迂回を強いられたりします。道からあまり離れないようにしようとしたところで、道自体がなくなっているなんてことも普通にあります。にっちもさっちもいかなくなり、やぶこぎをしたり、斜面を滑りおりたり、あるいは落ちたりします。危険な獣の気配を感じ、そっと逃げたりもします。イバラの中を血だらけになって抜け、底なし沼でもがきもがき、やまんばの家の庭をこっそりつっきったりします。ときには穴を掘ってうんこもします。上げられそうな種を上げきってしまう頃と疲れてくる頃は不思議と一致し、歩きやすい道に出るのも不思議とその頃だったりします。普通、遭難は絶対しません。次から仕事がこなくなるからです。

 そんなこんなで、全員が全員ではないと思いますが、調査員の歩く道が傍目からは極めて適当でいきあたりばったりなルート選択となったところでなんら不思議はありません。目的はたくさんの種をあげることと、怪我をせず、常識的な時間内にきちんと帰ってくることです。で、歩きながら、または一区切りついたところで、もしくは帰ったあとで、踏査したルートを「こんな感じだったかな」と地図に落とすわけです。一度地図に書いてしまえば、なぜその道を選んだのかなんて理由がどんなであっても、その道のプロですので様々な環境条件の場所をカバーした立派な踏査ルート図にみえるものが出来上がります。GPSがあればそのデータも使いますが、衛星の見つかりづらい森の中のこと、軌跡は非人間的な動きを示します。

 てな調査をした結果が、等高線何本にもまたがるぶっとい線の引かれた踏査ルート図、及び出現種リストとして報告書のページを埋めて翌年の調査員の手にわたり、そこに「前回と同じルートで」という言葉が添えられてくるわけです。
 難題ですね。

 長くなってしまいましたが、きちんとした測量のされていない調査ラインを示した大雑把な地図を元に「前回と同じで」といわれた場合、いったいそれがどこなのか現場へいってもさっぱりわからないなんてこともあります。
 もとの地図が大雑把なのだから適当にラインを決めちまっても大丈夫かといえば、そうはいきません。たとえば、前回データに柳の木が一本記録されていたなら、そのデータと同じ位置に柳の木が一本だけはいる調査ラインをなんとかして探さなければ、その柳が突如消滅したか、歩いて移動したか、分裂して増えたか、なんていうことになってしまうからです。普通、写真データも求められるので、安易に調査ラインを選んで、あとで「場所が違うよ」と言われたら面倒なことになります。

 動物調査で「前回と同じで」と言われたときは、前回トラップをしかけた場所と同じところにトラップをかけろという意味だったりすることがあります。トラップをかける場所なんて、そのときそのときの状況を見ながら調査技術者としての力量において最も効果が高いと思われる場所を選ぶわけですから、「前回と同じで」という言葉は「成果を上げるのをあきらめろ」と同義だったりもします。聞いた話ですが、前回調査でモグラの坑道を狙ってしかけたトラップを、今年は坑道の影も形も無いにもかかわらず全く同じ場所に仕掛けろと指示された、などという極端な、というかアホな例もあります。
 猛禽調査等において、調査対象の行動範囲がしぼりこまれてきた段階になっても、鳥が全然飛ばない定点を固持して人をはりつけ続けるというのも似た例でしょう。ほんのちょっと定点配置を変えるだけでグンと成果が上がることがわかりきっていても、なんら改善のためのアクションをおこさずに有能な調査員をまる一日立たせておいて、「ボウズ」という結果を出させるわけです。

 なにかを変えるということはそれなりのリスクを伴うし手続き的な面倒があったりもするものですが、変えてはいけないもの、変えた方がいいもの、変えようが変えまいがどうでもいいもの、などといった判断はそれ以前の問題ですし、発注者・受注者という関係において、変えられるもの/変えられないもの、という契約上の問題が壁のように立ちはだかっている気がしても、なんらかのアクションをおこして両者の共通理解が深まれば、あっけなく修正できる場合もあったりするもんです。
 実際のところ、「前回と同じで」という元請けの担当者からの指示は、比較の容易な継続性のある調査を行うため、というよりは、無難に恙無く業務をこなすための保険的意味合いが強く、生物/生態について無知+半端に真面目な担当者ほど前回調査への執着があるようです。自分の頭で考える必要はなく、思うように成果が出なかったときの言い訳も簡単ですから、まあ、最強といえば最強ですね。

 調査員が大学教員等である場合事情は違うでしょうが、そうでない場合について、たとえば、調査会社や調査員から元請けコンサルに向かって、あるいは元受けコンサルから発注元の役所等にむかって「担当者は『前回と同じで』」と言えるような、かつ、言いたくなるような状態になれば、少しは何かがかわるでしょうか。
 いや、これはもっともっと難題ですかね。

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2008年12月15日

トキの試験放鳥について3(放鳥周辺記事まとめ)

トキ試験放鳥に関する周辺記事のまとめ
(トキ関連エントリの一覧は末尾に)


■【新潟】佐渡トキ米 味、日本一 2008年12月3日
http://www.asahi.com/food/news/TKY200812030181.html
「トキを育む農法で栽培された佐渡産コシヒカリが、コメの味を競う全国大会「米・食味分析鑑定コンクール」で、最高賞の金賞に輝いた。ドジョウやカエル、タニシなどさまざまな生物と一緒に育った「トキ米」。その、おいしさが初めて証明された。」
「化学肥料や除草剤を使用せず、米ぬかやおからで土を育てる。冬場もトキのえさとなる生き物が生息できるように、田んぼに水を張る--。」
「一方、減・無農薬栽培は手間がかかる上、収量も落ちる。」
「「冬場のえさが少ない時期にはぜひ、うちの田んぼに来てほしいですね」」

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■餌補給せず、トキ専門家会合 2008年12月9日(火)12:00
http://news.goo.ne.jp/article/niigata/region/1-155893-niigata.html
「環境省は8日、トキの試験放鳥後の対応を議論する「野生復帰専門家会合」を放鳥後初めて東京都内で開き、餌が少なくなる冬季に餌場に餌を補給するなど人為的支援は原則として行わないことを決めた。」

■放鳥トキ餌付け、なぜダメ?
2008年12月10日
http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000812100002
「環境省のトキ野生復帰専門家会合(座長・山岸哲山階鳥類研究所所長)が8日、「放鳥したトキには原則、えさを与えない」と決めたことに、佐渡島民から疑問の声が上がっている。」
「74(昭和49)年までは地元教育委員会が、トキのため冬場と繁殖期を中心に田んぼにドジョウをまくなどしていた。」
「地元農家も、庭先にやってくるトキに餌付けしていたことで知られる。」
「佐渡島では、水田の面積が減るなど、トキの生息環境は厳しさを増している」
「地元農家からは「何羽も死亡したら、島のイメージダウンになる」と心配する声も漏れる。」


■放鳥トキ、緊急時には捕獲もノ冬場は餌も不足 2008年12月16日(火)14:38(読売新聞)

http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/science/20081216-567-OYT1T00417.html
「専門家会合では、自力での採餌が難しくなる冬場の対応を巡って意見が交わされ、自然下での生態に関するデータ収集を重視するため、給餌は原則として行わず、緊急時に限って、捕獲・収容することで一致」

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■島内で分散飼育検討へ トキの鳥インフル対策 佐渡市
2008年12月7日
http://www.asahi.com/health/pandemicflu/TKY200812080051.html

「鳥インフルエンザ対策のためのトキの分散飼育について佐渡市は、島内の別の場所での飼育の可能性を探る方針を固め、検討に入った。」
「現在、国が島外での候補地選考を進めているが、トキが移送されることに島民の反発が根強い」
「分散飼育は、鳥インフルエンザなどの感染症による絶滅を回避するための措置」
「国は昨年、佐渡トキ保護センターから4羽を初めて多摩動物公園に移送。次の候補地も近く決定される見通しだが、島内には「長年、トキ保護に携わってきた島民の気持ちを大切にしてほしい」などと反発する声も根強い。」

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トキ関連エントリ

 トキの試験放鳥について1
 トキの試験放鳥について2(放鳥関連記事まとめ)
 トキの試験放鳥について3(放鳥周辺記事まとめ)
                  (2008年12月中旬まで)
 トキの試験放鳥について4(関係者たちの見解・コメント)
 トキの試験放鳥について5(他の生物関連)
 トキの試験放鳥について6(調査関連、周辺事情)
 トキの試験放鳥について7(その他)
                  (2009年4月上旬まで)
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トキの試験放鳥について2(放鳥関連記事まとめ)

トキ試験放鳥関連の記事のまとめ
(このブログのトキ関連エントリのリンク一覧は末尾に。)

■トキ10羽、佐渡島で試験放鳥 27年ぶり日本の空に 2008年9月25日10時51分
http://www.asahi.com/eco/TKY200809250094.html
「国の特別天然記念物トキの試験放鳥が25日、新潟県・佐渡島であり、中国産のつがいを使って人工繁殖されたオス、メス5羽ずつの計10羽が空に放たれた。」
「10羽の行動を人工衛星による全地球測位システム(GPS)や目視で追跡し、データを今後の本格的な野生復帰に生かす」

■佐渡で放鳥のトキ、海渡る? 80キロ離れた本州で目撃 2008年10月29日16時57分
http://www.asahi.com/eco/TKY200810280345.html
「環境省は28日、新潟県北部の胎内市で、特別天然記念物のトキの目撃情報があったと発表した。」
「27日午前8時ごろ、胎内市富岡の胎内川河口近くを車で走行中の住民が目撃、県に通報した」。「放鳥したトキを識別するため羽に付けた緑色の塗料を見ていることなどから、同省は「トキの可能性が高い」としている」
「佐渡島と新潟本土は最短距離が約40キロ」

■トキ、本州で確認 佐渡で9月放鳥された1羽 2008年11月9日13時17分
http://www.asahi.com/eco/TKY200811090079.html
「環境省と新潟県は8日、新潟県北部の関川村で、特別天然記念物トキの生息を確認したと発表した。」「9月25日に約90キロ離れた同県・佐渡島で放鳥された10羽のうち、行方が分からなかった2羽のうちの1羽」「8日午前10時30分ごろ、関川村西部の休耕田で、県愛鳥センターの元職員がトキを目撃、撮影した。足輪の色や、羽根に付けた識別用の塗料の色などから行方不明だった3歳雌であることが確認された。」
「同省にはこれまで同市はじめ新潟市、新発田市、聖籠町など県北部を中心に計31件の目撃情報が寄せられている。」
「「2羽で飛んでいた」との情報もあり、同省は「行方分からなかった2羽が海を渡った可能性も捨てきれない」としている。」

■関川村の雪原でトキを確認 2008年11月20日(木)12:0
http://news.goo.ne.jp/article/niigata/region/1-151458-niigata.html
「関川村で20日、9月下旬に佐渡市で試験放鳥されたトキ1羽が確認された。以前に同村で見つかった雌」
「降雪で真っ白になった田んぼをしっかりとした足取りで移動し、首を上下に動かしながら餌を探すようなしぐさを見せていた。」
「トキがいたのは同村西部で、かつて付近でドジョウを養殖していたことがある場所」

■関川村のトキ、新潟市で確認 2008年12月5日(金)12:00
http://news.goo.ne.jp/article/niigata/region/1-155800-niigata.html
「佐渡市で試験放鳥され、11月上旬から関川村にとどまっていたトキが4日、約60キロ離れた新潟市南東部で発見された。」
「トキがいたのは平野部の田園地帯」

■本州のトキ、捕獲せず=生態を把握−環境省 2008年12月8日(月)22:30
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-081208X031.html
「同県内の本州側に渡ったことが確認された1羽について、環境省の専門家会合は8日、餌不足により越冬が懸念されるものの、トキの生態を把握するため当面は「静かに見守る」との考えで一致した」
「同省は原則、捕獲や餌付けは行わない方針。」

■佐渡のトキにけがの可能性 2008年12月9日(火)12:00
http://news.goo.ne.jp/article/niigata/region/1-155917-niigata.html
「佐渡島内で現在確認されているトキ8羽のうち1羽の行動に異常があることが9日、環境省のモニタリングで分かった。約6時間動かなかったことから、同省はけがの可能性もあるとみている。」
「異常がみられたのは、佐渡市の加茂湖周辺にいるペアのうちの1羽で、個体番号15番の雌。」

■メスの放鳥トキが足にけが?黒っぽい鳥に襲われ 2008年12月10日(水)13:00
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20081210-567-OYT1T00394.html
「新潟県佐渡市で9月に試験放鳥されたトキ10羽のうち、市中央部の加茂湖周辺にいたメスの1羽が、足にけがをしている可能性があることが、10日分かった。」
「9日午前に「黒っぽい鳥に襲われ、餌場から動かなくなった」との目撃情報」
「同省によると、このトキは、9日午後から田んぼで長時間動かずにじっとしているなど、異常な行動が見られている。」
「観察員が約10メートルまで近づいても、うまく飛び立つことができなかった」
「このメスは10月下旬から、オスと行動を共にしていた1羽」

■<トキ放鳥>足にけが?餌場で5時間動かず−−新潟・佐渡 2008年12月10日(水)18:00
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/life/20081210dde041040037000c.html
「市中央部にいた1歳のメス1羽が、足にけがをした可能性のあることが10日分かった。」「加茂湖周辺の田」
「観察員が数メートルの距離まで近寄ったが飛び立とうとせず、飛び立った後も木にとまろうとして失敗した」

■放鳥トキ、足けが?=水田にうずくまる−新潟 2008年12月10日(水)13:30
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-081210X355.html
「新潟県佐渡市で9月に試験放鳥したトキ10羽のうち1羽の足に異常が生じている可能性があることが10日、分かった。1歳の雌が9日午前11時ごろから、同市加茂湖近くの水田で約5時間うずくまったまま、ほとんど動かなかった。」


■頭部強打し失明? 試験放鳥トキ 2008年12月14日(日)08:05
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/m20081214020.html?C=S
「新潟県佐渡市で試験放鳥されたトキのメスが9日、佐渡島で野鳥に襲われた問題で、トキは頭部を強打し、左目の視力を失うようなけがを負った可能性の高いことが13日、産経新聞の写真を見た専門家の分析で分かった。」

■放鳥トキが死ぬ 10羽のうちの1羽 2008年12月14日(日)14:42
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/K2008121400930.html
「9月に自然界に放たれ、新潟・佐渡島で暮らすトキのうち1羽が死んでいるのが14日、発見された。5日前にえさ場の水田内で長時間、うずくまっているところを目撃された1歳の雌」
「その後行方が分からなくなっていた。」
「やぶの中に落ちて死んでいるのを観察ボランティアらが見つけた。」

■放鳥トキ、1羽死ぬ=動物に襲われる?−佐渡の山中 2008年12月14日(日)16:30
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/nation/jiji-081214X193.html?C=S
「新潟県佐渡市で9月、野生に復帰させるため放鳥された10羽のトキのうち、1羽が14日午前、同市の加茂湖近くの山中で死んでいるのが見つかった。」
「足輪などから1歳の雌と判明」

■トキ、佐渡の山中で死ぬ 9月放鳥の1歳雌 2008年12月14日(日)20:15
http://news.goo.ne.jp/article/kyodo/nation/CO2008121401000184.html
「トキ10羽のうちの1羽が、同市の山中で死んでいるのが見つかったと環境省が14日、発表した。」
「死んだトキは1歳の雌で、同日午前10時半ごろ、地元住民が発見。現場に羽根が散乱し、肉がほとんどない状態で、個体識別用の足輪などから放鳥された1羽と判明した。」

■放鳥されたトキ1羽が死ぬ、佐渡市の加茂湖周辺で 2008年12月14日(日)20:58
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/20081214-567-OYT1T00322.html
「新潟県佐渡市で9月に放鳥された10羽のトキのうちの1羽(雌、1歳)が14日、同市中央部の加茂湖周辺で死んでいるのが見つかった。」
「死骸 ( しがい ) はほとんど骨だけの状態で、周辺約10メートル四方に、羽や骨が散乱していた。」
「環境省で監視態勢を強化していた。」

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トキ関連エントリ

 トキの試験放鳥について1
 トキの試験放鳥について2(放鳥関連記事まとめ)
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タグ:トキ
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トキの試験放鳥について1

 2008年9月に佐渡島でトキが試験放鳥されました。
 このことについて、情報整理の意味で、いくらか書いておきます。
 トキは、日本の希少種保護に関する象徴的なケースとみていいかと思います。一つの種を守るための施策・行為としてはいささか極端な形かもしれませんが、よくも悪くも貴重な前例となることは間違いないでしょう。市民の関心や産業への影響という面での展開も注目に値するものだと思います。

 放鳥までの軌跡は、NBonlineの記事が周辺諸事情もふくめてわかりやすいので、下の方にリンクをはっておきました。
 この記事によると、野生復帰ステーションで飼われている29羽のトキが1日41キロの餌を平らげるそうですので、一日一羽あたり約1.5kgの餌が必要ということになります。その内容は、大分県産のドジョウ(3000円/kg)、四万十川のサワガニ(100円/匹)、カワエビ(40円/尾)。もちろんこれプラス送料となりますので恐ろしい程の費用がかかっていることになりますね。野生に放たれたトキは、自力でこれに代わる餌を探すことになるわけです。
 環境省は、2025年までに60羽の朱鷺を野生に定着させる計画に伴って、人工のエサ場の造成を進めているそうですが、60羽が毎日1.5キロを食べるとすると、必要な餌は年間30トン以上。島外から餌生物を持ち込むことによる遺伝子のかく乱の問題は、もはや今さらといいますか、トキという存在を前にしては言うだけ無駄な話になってしまっているのかもしれませんが、餌の出自がどこであれ、最終的には野生化したトキをまかなうに十分な量の餌生物が、トキの暮らすその土地で増殖し続ける状態にならないことにはなんともなりません。
 休耕田や借り上げ圃場を使ったビオトープがトキの餌のために用意されるようですが、面積規模からいっても一番のキーを握るには水田でしょう。けれども、トキの餌が増殖できるような水田と、今普通に稲作の行われる水田は別物であるという問題があります。トキの餌場と稲作を両立させるには、農法や水田管理の手法から変えなければいけなくなるわけです。
 記事では、「トキが住める環境の米」というブランド価値が佐渡の農家の行く末をも決定づけるとしてその取り組みも紹介していますが、トキの存在はすでにトキだけの問題ではなくなってしまっています。

 別エントリで、トキ放鳥後の関連記事を整理しておきます。
 トキの試験放鳥について2(試験放鳥関連記事まとめ)
 トキの試験放鳥について3(試験放鳥周辺記事まとめ

 他、このブログのトキ関連エントリのリンク一覧は末尾に。

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NBonlineの記事
宮嶋康彦氏のコラム:地方再生物語より

■朱鷺(トキ)と共生する里山作りが離島を救う
 莫大なコストを費やし回復させた自然環境が佐渡島を活性化

2008年9月24日 水曜日 宮嶋 康彦
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080922/171300/?P=1
・かつて農家に「害鳥」といわれた朱鷺
・田を荒らされたらノと不安を口にしながらも飛ぶことを祈る
・自然にこそビジネスモデルがある
・失われた自然の回復にはいくら掛かったのか
・エサのドジョウは人間が食べるのと同じ"高級品"
・高いエサ代を掛けてまでなぜ朱鷺を保護するのか?

■農業に望外の付加価値をもたらした朱鷺
 自然との共生という「ブランド」が島を潤す

2008年9月25日 木曜日 宮嶋 康彦
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080924/171503/?P=1
・朱鷺なしでは沈む佐渡島
・まだ朱鷺の放鳥は早い、飼育羽数はたった122羽
・だいじょうぶ、私は朱鷺を信じています

■"絶滅"した種はいかに再生されたのか
 朱鷺の人工飼育に挑んだ近辻宏帰さんの36年

2008年9月26日 金曜日 宮嶋 康彦
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080925/171631/?P=1
・上空を旋回し自らの棲家を探して飛び立った
・学校帰りに小鳥屋に寄るのが楽しみだった
・"絶滅"の日は朱鷺をねぎらう気持ちしかなかった
・中国の朱鷺の遺伝子は日本の朱鷺と同じ
・会見で釈明するのがものすごく辛かった
・ぼくは50億円も使ったのか


トキ関連エントリ

 トキの試験放鳥について1
 トキの試験放鳥について2(放鳥関連記事まとめ)
 トキの試験放鳥について3(放鳥周辺記事まとめ)
                  (2008年12月中旬まで)
 トキの試験放鳥について4(関係者たちの見解・コメント)
 トキの試験放鳥について5(他の生物関連)
 トキの試験放鳥について6(調査関連、周辺事情)
 トキの試験放鳥について7(その他)
                  (2009年4月上旬まで)

タグ:鳥類
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秋の七草の順番

秋の七草はどこをしらべてもゴロが悪いのしか出てこないので、
ゴロのいいよう五七五七七に並べ替えてみました。

 ハギ オバナ
 キキョウ ナデシコ オミナエシ
 クズ フジバカマ、秋の七草

 オバナはススキの場合もありますが、同じものだしどちらも三文字だから、入れ替えてもリズムには影響なし。

 ハギ ススキ
 キキョウ ナデシコ オミナエシ
 クズ フジバカマ、秋の七草

 キキョウのかわりに朝顔が入っているものもありますが、広辞苑では、「朝顔(朝顔は今のキキョウをいうか)」とあります。
 オミナエシとフジバカマを入れ替えてもリズムはいっしょですが、これは好みの問題ってことで。
 秋の七草は、紫系の花が多いですね。

ついでに、春の七草。
こちらは辞書・辞典に出てくるものも始めから五七五七七。

 セリ ナズナ
 ゴギョウ ハコベラ ホトケノザ
 スズナ スズシロ、春の七草

一応、漢字や別名なども
【春】
芹=セリ
薺=ナズナ
御形=ゴギョウ=オギョウ=ハハコグサ
繁縷=ハコベラ=ハコベ
仏座=ホトケノザ
菘=スズナ=蕪=カブ
蘿蔔=スズシロ=大根=ダイコン
【秋】
萩=ハギ
尾花=オバナ=薄=ススキ
桔梗=キキョウ
撫子=ナデシコ
女郎花=オミナエシ
葛=クズ
藤袴=フジバカマ

漢字だけで書くと、読んでみようという気がまったくしません。

芹薺御形繁縷仏座菘蘿蔔春の七草
萩尾花桔梗撫子女郎花葛藤袴秋の七草

タグ:植物
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2008年12月12日

関連記事:脱ダム高まる中「新たに100基必要」国交省が試算

脱ダム高まる中「新たに100基必要」国交省が試算
http://www.asahi.com/national/update/1210/TKY200812100186.html
「全国の1級河川でおおむね100〜200年に1度あるような規模の大洪水を防ぐためには、計画中のダム以外にもさらに100基以上造る必要があると国土交通省が試算していることがわかった。」(朝日新聞)

 関連業界ウハウハじゃないですか。
 どうせなら、どんな大洪水がきても大丈夫なように、日本中ダムだらけにして全ての町をダムの中にうかべとくってのはどうでしょうね。

 ま、それはともかく、「これこれこういう条件で数字を出してみて」といわれて足し算と引き算と割り算をやって「ハイ出ましたぁ」ってのがこの100基以上という数字でしょうから、これのみを真面目に相手にするより、この手の数字が一人歩きしないよう監視することの方が大事だと思います。ダムを作らなきゃたいへんなことになるぞ、なんていう脅しには便利な数字ですので。
 ダムより堤防の強化が先だってのは京大の今本博健氏の話として記事の最後に書いてありますが、他に、ダム以外の方法で洪水を防ぐ場合の試算とか、土砂で埋まったダムの扱いなんかも知りたいところです。
posted by biobio at 16:44 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境改変/施設建設の話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

調査で使える家庭用品

 調査道具にはなにかとお金がかかるものですが、研究用に売られているものと同等に使える安価な家庭用品も結構ありますね。
 たとえば研究用機器カタログでタイトボックスを買うとそこそこの出費になりますが、100円ショップのタッパーで十分な場合も少なくありません。ビーカーのかわりに牛乳瓶やガラスコップなんてのもよくある話です。
 場合によっては経費削減効果のみならず、もっと便利に使えるものも。
 そんなものについて、定番もふくめ、思いついたものをいくつか書いてみようと思います。ただ、安いものは強度的に難がある場合多いし、密閉性が求められる容器系も不安ですね。目的を十分考慮した上でのチョイスが必要になります。特に、刃物系とビニール袋はケチらない方がいいんじゃないかと。バケツなんかも。

【袋物系】
・洗濯ネット
 水仕事をするときの濡れてもいい小道具入れとして。直接魚を入れることも。
・タマネギ袋
 採集した魚を地点別方法別等に小分けしておくのに便利。そのままバケツに放り込んでおけばしばらくは生かしておけます。が、歯や鰭がひっかかりやすいです。
・お茶パック
 小分けして採集した昆虫や、魚一匹一匹の消化管内容物(吐き出させたものなど)を入れるのに手頃なサイズ。口が開きそうで不安ならホチキスでガチャリと。で、そのままホルマリンやアルコールのボトルの中へ。
・排水口用ネット
 水生昆虫等に手頃ですが、目合いや伸縮性の有無に注意。

【器】
・タッパー、フィルムケース
 このへんは、定番でしょうか。
・ピルケース、アクセサリーケース
 昆虫や貝等、小さなものをわけて入れるのに便利
・おわん
 魚の卵に受精させる時に普通に使われるものですが、他にも意外と便利に使えます。柔らかい地面なら、穴もほれます。
・ボールとザル
 そのまんまですね。

【選別や小分け(ピンセットやピペットの代用として)】
・箸(割り箸)
 時にピンセットより便利に使えます。太すぎたら先を削ればいいし、長ければ折ればいい。汚れたら捨てられます。
・レンゲ
 お椀と組み合わせて生きた仔魚にダメージを与えずにすくうのに便利。すくった数も数えやすいです。
・おたま
 一杯だいたい何mlかを測っておくといいです。

【衣料品の流用】
・布製ベルト(穴の無いタイプ)
 任意の場所で固定できるのでなにかと使えます。
・軍手
 本来の使い方の他、器具についた泥を洗うときのスポンジ代わりにそのまま手にはめて。
・ストッキング
 適当に切った後枠につければ、簡易プランクトンネットに。メッシュサイズが重要な場合は不可。
・トートバッグ
 結構大容量ですし、水も汲めます。不要なときはたためるので便利。

【他】
・漫画週刊誌
 採集した植物をはさんでおけます。
・園芸用の支柱
 単純に棒として使う他、折り曲げて方形枠に。

■100円ショップ等で調達しておくと便利なもの

 100円ショップは、安いからというよりも色々な雑貨が手に入りやすいという面で価値があると思います。質の面では難のあるものも多いですが、それほど質を気にするようなものでもないものをいくつか。

・マジックテープ
 紐状のものや粘着テープ付きのシート状のもの等、いろいろあります。筆記具や時計等、ちょっとしたものを三脚にくっつけておいたりとか。
・紐、ロープ
 体重をあずける用途にはちゃんとしたものを使うべきですが、細々した場面で切って使ったり、メジャーがたりないときの代用などにもっていると便利。
・ルーペ
 計測にはちゃんとしたものを使った方がいいでしょうが、ちょっと拡大してみたいときには100円ショップのものでも十分。適度な距離を維持できる台座付きや、財布にも入れておけるフレネルレンズなどいろいろあります。
・距離計
 ゴルフ用のごくかんたんな距離計があります。ごくごく大雑把にあたりをつける程度の用途で。ただ、メモリがヤードのみの場合もあるので注意。
・ターボ式ライター
 野外で蚊取り線香に火をつけるにはこれ。
・コンパス
 オイル式の大きめのものがいいです。安くてもちゃんと北をさします。
・笛、呼び子
 ちゃんと音がでるか確認しましょう。
・チョーク
 目印付けに。幼児用のぶっといのが便利です。スプレー塗料の目印はあとまで残りますが、チョークなら雨で流れてくれます。
・ブルーシート等
 安いものは当然薄いですが、それでかまわなければ。荷物の雨よけ用途では、自転車やバイク用のシートもいいですが、100円ですので、やっぱ薄い。
・鉛筆用キャップ
 ちびた鉛筆を使うためのキャップがありますよね、あれです。ダブルクリップで野帳等にとめて、鉛筆ホルダーとして使えます。
・ビニールテープ
 本来の用途以外、ラベルや目印にもつかえてなにかと便利なんですが、これは100円ショップのものでない方がいいかもしれません。やたらとべたべたしたり、はがしたあとに粘着材が残ってしまったりするものがあります。

 まだまだあるでしょうがひとまず。


 研究用器具類として売っているものの目的外使用もコストカットに有効な場合がありますが、それはまた別の機会に。

 他にも現場経験者ならではの便利グッズをいろいろご存知の方は多いかと思います。コメント欄かメール投稿で情報をいただけると幸いです。






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ひものしばりかた

 野外ではロープやひもを使うことが多いかと思います。
 ロープワークにはいろいろありますが、とりあえず様々な場面で便利、かつ覚えていないと出来ない縛り方をふたつばかり。
 実際の結び方については、画像で紹介しているサイトがたくさんありますのでそちらをどうぞ。
たとえば、
 http://www.artex.co.jp/Pages/OutdoorLife/ropework/index.html

■もやい結び
 頑丈です。ほどきやすくするには、最後の部分でロープを二重にして片側を残しておきます。

■巻き結び
 特に杭等、片側がフリーになっている場合に、とにかく簡単で便利。わっかを杭に二回かければいいだけですから。ほどくのも楽です。ただ、両側がフリーでない棒に結ぶ場合には手順が大きく異なります。
 滑りやすい材質の場合はゆるみやすいのでやめましょう。

 ついでに、シートを使うときに知っていて損がないのは、小石を使う方法。
 小石にシートをかぶせてそのままぐるっと縛れば、紐をつける穴がなくともシートをはれます。たるんだシートの中央をもちあげるときにも同様に。
 こんなこと知らなくても、現場で自力で思いつくことができますか、そうですか。

タグ:ロープ ひも
posted by biobio at 13:13 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 機器/ツール/ノウハウ/アイディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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